EXHIBITIONS
Rebuilding 展
「Shinjuku Re “和” style project」は富田染工芸、染の里おちあい二葉苑の協力のもと、展覧会「Rebuilding」を開催する。染色をテーマにした本展には、木藤遼太、後藤宙、髙橋銑、多田恋一朗、村岡佑樹のアーティスト5名が参加。
新宿区の神田川・妙正寺川沿いでは、古くから「染(そめ)」の伝統工芸が栄えてきた。東京富士大学が主宰する「Shinjuku Re “和” style project」は、卓越した技術により洗練された美をいまに伝える「染」の伝統工芸の継承と、新たな発展への貢献を目指すプロジェクトだ。
近年、伝統的な技術やそれに基づく産業は困難な経済・社会環境に置かれている。東京富士大学では、本プロジェクトを通じて、「染」の伝統工芸における現代的な価値を再考し、そこから未来につながる新たな「和」の在り方を探求するとともに、染色工房(染の里おちあい二葉苑、富田染工芸)の協力を得て、アートやSDGsをキーワードとした展覧会やアーカイヴ、プロダクト開発などを行い、地域の伝統工芸を多く人に向けて発信している。
本展は、染色工房を見学、リサーチしたアーティスト5名の多様な視点から「染(そめ)」の新たな魅力や特徴を再発見し、染色の現代における在り方を考察する。
不可視の存在である信号や音、時間を加工することで空間のなかで立体的なものとして存在させ、身体感覚に呼びかける彫刻を考察している木藤遼太、数学的な単位や法則、幾何学に注目し、その普遍的な法則をテーマに制作する後藤宙(かなた)、美術作品の保存・修復に従事した経験から、ものと人間存在が描く生の軌道をテーマに作品制作する髙橋銑。多田恋一朗は、喜怒哀楽の表情のない人の顔や、変形されたキャンバス(ゾンビキャンバス)などによって、「人格」が不明瞭になっている現代の人の表情の裏に隠された、人の本質を追求しており、そして村岡佑樹は、歴史や生活の営みなど、ある事象を取り巻く状況やそれが成り立つ原因を分解し、再構築・作品化することで社会の普遍性とのつながりを考察している。
職人とアーティストたちは互いに普段からものづくりを行っているという共通点があるが、それぞれのあいだには違うものとしての一線が引かれている。本展では、領域横断が当たり前となっている現代美術のなかでその溝を埋めていくことに意義があると考える。また、それぞれの分野を越えた交流を行い、互いに理解し刺激を与え合うことで、アーティストは自身の表現を発展させる機会ともなる。そして、アーティストの表現が染色工芸の持つ「染(そめ)」の思考や技術の拡張の一助となることで、伝統文化の更なる発展に寄与していくことが可能であると考えている。
前期(2月25日~27日)では地域イベント「染の小道」と連動し、染の里おちあい二葉苑内の和室空間で展示を行い、後期(3月4日~13日)では妙正寺川、神田川沿いにあるスペース「BaBaBa」にて前期とは違う展開の作品を展示する。また会場内では「Shinjuku Re “和” style project」で制作した染色に関するアーカイヴ映像、パネル展示も行う。なお本展は、西武信用金庫地域みらいプロジェクト、東京藝大「I LOVE YOU」プロジェクトの助成を受けて開催される。
また会期中には、トークイベント「語る人作る人―ものづくりの分類・領域横断について―」も開催。本イベントは染色工芸とアートを起点に、髙木結美(東京国立博物館学芸員)と多田恋一朗(アーティスト)による対談であり、「語る人」「作る人」それぞれの意見を交換することで美術のジャンル分け、またその横断について考える。
新宿区の神田川・妙正寺川沿いでは、古くから「染(そめ)」の伝統工芸が栄えてきた。東京富士大学が主宰する「Shinjuku Re “和” style project」は、卓越した技術により洗練された美をいまに伝える「染」の伝統工芸の継承と、新たな発展への貢献を目指すプロジェクトだ。
近年、伝統的な技術やそれに基づく産業は困難な経済・社会環境に置かれている。東京富士大学では、本プロジェクトを通じて、「染」の伝統工芸における現代的な価値を再考し、そこから未来につながる新たな「和」の在り方を探求するとともに、染色工房(染の里おちあい二葉苑、富田染工芸)の協力を得て、アートやSDGsをキーワードとした展覧会やアーカイヴ、プロダクト開発などを行い、地域の伝統工芸を多く人に向けて発信している。
本展は、染色工房を見学、リサーチしたアーティスト5名の多様な視点から「染(そめ)」の新たな魅力や特徴を再発見し、染色の現代における在り方を考察する。
不可視の存在である信号や音、時間を加工することで空間のなかで立体的なものとして存在させ、身体感覚に呼びかける彫刻を考察している木藤遼太、数学的な単位や法則、幾何学に注目し、その普遍的な法則をテーマに制作する後藤宙(かなた)、美術作品の保存・修復に従事した経験から、ものと人間存在が描く生の軌道をテーマに作品制作する髙橋銑。多田恋一朗は、喜怒哀楽の表情のない人の顔や、変形されたキャンバス(ゾンビキャンバス)などによって、「人格」が不明瞭になっている現代の人の表情の裏に隠された、人の本質を追求しており、そして村岡佑樹は、歴史や生活の営みなど、ある事象を取り巻く状況やそれが成り立つ原因を分解し、再構築・作品化することで社会の普遍性とのつながりを考察している。
職人とアーティストたちは互いに普段からものづくりを行っているという共通点があるが、それぞれのあいだには違うものとしての一線が引かれている。本展では、領域横断が当たり前となっている現代美術のなかでその溝を埋めていくことに意義があると考える。また、それぞれの分野を越えた交流を行い、互いに理解し刺激を与え合うことで、アーティストは自身の表現を発展させる機会ともなる。そして、アーティストの表現が染色工芸の持つ「染(そめ)」の思考や技術の拡張の一助となることで、伝統文化の更なる発展に寄与していくことが可能であると考えている。
前期(2月25日~27日)では地域イベント「染の小道」と連動し、染の里おちあい二葉苑内の和室空間で展示を行い、後期(3月4日~13日)では妙正寺川、神田川沿いにあるスペース「BaBaBa」にて前期とは違う展開の作品を展示する。また会場内では「Shinjuku Re “和” style project」で制作した染色に関するアーカイヴ映像、パネル展示も行う。なお本展は、西武信用金庫地域みらいプロジェクト、東京藝大「I LOVE YOU」プロジェクトの助成を受けて開催される。
また会期中には、トークイベント「語る人作る人―ものづくりの分類・領域横断について―」も開催。本イベントは染色工芸とアートを起点に、髙木結美(東京国立博物館学芸員)と多田恋一朗(アーティスト)による対談であり、「語る人」「作る人」それぞれの意見を交換することで美術のジャンル分け、またその横断について考える。