EXHIBITIONS

大原舞「MIRROR」

2022.01.28 - 02.13

大原舞 MIRROR#1

 s+artsで、アーティスト・大原舞の個展「MIRROR」が開催。新作を軸に小作品から大作まで含め、大原の世界観でギャラリー空間を彩る。会期は1月28日~2月13日。

 大原は1986年東京都生まれ、2010年武蔵野美術大学造形学部油絵科卒業。日常にある景色や植物などをモチーフに、身近にあるものを用いてペインティングや立体、シルクスクーン版画や刺繍など、様々な技法で作品を制作している。日々出会う景色のカケラをつなぐようにして、大原にとっての「特別」を表現しているという作品はどれも、作家自身が醸し出す独特の雰囲気が一貫されており、技法や形態などのジャンルを超えて見る者を魅了する。東京を拠点に、自身の作品展示のほか、百貨店やアパレルブランドとのコラボレーションなど、積極的に制作活動を続けている作家だ。

 どことなく曖昧で、可愛らしくもパンキッシュな印象を持つ大原の作品は、展示タイトル「MIRROR」にもあるように、自身を反映しているように見受けられる。モチーフは、どこかで見た景色や植物、人型など様々だが、豊かな色彩と独自のタッチで描かれる作品は、「私が好きなんだから良いじゃない」と言わんばかりに自由な発想で制作されている。自身の分身としてのキャラクターとして知られる「ナタリー」も、多様な態度で作家の想いを反映しているようだ。

 自身の「お気に入り」を追求する大原の作品からは、「共感」よりも「憧れ」に近いものを感じることがある。自分の気に入ったものを見出し、それをさらに理想に近くなるよう表現できるのは、自身の気持ちに率直でなければ成すことができないだろう。本展を機に、不思議な世界を持ちながらもポジティブな印象で見る者を楽しくさせるような大原の作品に注目してほしい。