EXHIBITIONS

西山美なコ「ブドワール...」

2022.01.29 - 03.13

「広瀬光治と⻄山美なコの“ニットカフェ・イン・マイルーム”」(金沢21世紀美術館、2009) 展示風景(部分)

 Yoshimi Artsで、西山美なコの個展「MINAKO NISHIYAMA / boudoir...」が開催されている。

 西山は1965年兵庫県生まれ。89年に京都市立芸術大学美術学部油画専攻を卒業、91年に京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻を修了。80年代後半から紙パルプを用いた立体作品を制作し、巨大な「リカちゃんハウス」を思わせる《ザ・ピんくはうす》(1991)や宝塚の書き割り風の作品など、少女文化を前面に出した立体作品で注目を集めた。日本独自のサブカルチャーを媒介とした美術作品を制作し始めた世代のひとりだ。

 現在、金沢21世紀美術館にて開催中の展覧会「フェミニズムズ / FEMINISMS」(~2022年3月13日)において、《♡ときめきエリカのテレポンクラブ♡》(1992)と《もしもしピんク〜でんわのむこう側~》(1995)で発表した、90年代の風俗産業をモチーフにした2つのテレホン・プロジェクトのアーカイヴ展示を行っている。この展示において、少女たちが好むと同時に性風俗の象徴でもあるピンクの持つ二面性が、消費文化と交差していたことを物語っている。

 本展では、光の反射を利用した「レフ・ペインティング」に加え、2009年に「広瀬光治と西山美なコの“ニットカフェ・イン・マイルーム”」(金沢21世紀美術館)にて制作した「レフ・ワーク」の四隅の小部屋(ブドワール)のうちひとつを再展示する。異なる時代に制作された作品が交差することで、ピンクが持つ二面性が空間に表れることだろう。