EXHIBITIONS

潮田登久子「マイハズバンド/My Husband」

2022.01.26 - 03.12

© Tokuko Ushioda Courtesy of PGI

© Tokuko Ushioda Courtesy of PGI

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© Tokuko Ushioda Courtesy of PGI

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 PGIでは、潮田登久子(うしおだ・とくこ)の作品展「マイハズバンド/My Husband」を開催する。初公開となる、初期のモノクロ作品約30点を展示する。

 潮田は1940年東京都生まれ。63年桑沢デザイン研究所写真学科卒業。66〜78年まで桑沢デザイン研究所および東京造形大学講師を務める。75年頃からフリーランスの写真家としての活動を始め、代表作に様々な家庭の冷蔵庫を撮影した「冷蔵庫/ICE BOX」がある。

 今回展示するシリーズ「マイハズバンド/My Husband」は、潮田が、夫であり同じ写真家である島尾伸三を主人公としてまとめたもの。40年前のプリントとネガが発掘されたことをきっかけに、潮田の初期作品の多くが初公開される。

 潮田と島尾は1978年に娘のマホが生まれ、結婚。その後、3人は憲政の神様といわれた尾崎行雄(政治家、ジャーナリスト)の旧居を移築した歴史的洋館の一室を借りて入居した。台所は共同で、家主や親族から貰いうけた家財道具が少しある、決して贅沢な暮らしではなかった。妻となり、同時に母となった潮田は、子供を育てながら、アーティストとしての自身を再構築し、成長させていく必要があることを悟っていただろう。そして子供の存在は、それまで無意識に身につけてきた自己表現のかたちに、より敏感になるきっかけを与えたのかもしれない。潮田の代表作「冷蔵庫/ICE BOX」と同時期に撮られた未発表作品は、潮田作品をより深く理解するための新たな出発点となることだろう。