EXHIBITIONS
野山のなげき
オルタナティブスペース、DOGOが主催する展覧会「野山のなげき」が渋谷区のRoom_412で開催される。本展キュレーターは番場悠介、アシスタントキュレーターは栗原あすか、渡辺俊夫。
「野山のなげき」は、幕末・維新期に国学者の伴林光平(1813〜64)らによって行われた山陵調査を起点に、今日の芸術におけるアヴァンギャルドの成立可能性を考察する展覧会。メインストリームのないアートシーンと現在のポストトゥルース的状況を、かつて尊皇運動の文脈で要請された山陵調査と大胆に接続し、ふたたび前衛を駆動させるためのイデオロギー創出へのフローとして再呈示しようとする試みだ。参加アーティストは、小田原のどか、楠田雄大、小寺創太、佐藤清、百頭たけしの5名。
本展は「戦後美術」のタームだけでなく、あらゆる日本文化論がタブーとしてふれようとしなかった各運動の実践における天皇制の取り扱いという問題に鋭く切り込む。明治以降の西洋文化偏重と伝統的イデオロギーの軽視が現代日本における体系のなさというものの原因だとすれば、美術の世界においてその状況は現在に至るまで続いていることを前提に、その状況下で今日無数に呈示され続ける、受容も継承もされることのない「承認されえぬ神話」を現前させるとしている。
参加作家の小田原のどかは1985年生まれ、宮城県出身。リサーチをベースにした彫刻作品を制作する。アーティストとしての活動と並行して、彫刻研究、版元経営、書籍編集、展覧会企画、評論執筆を行う。『芸術新潮』『東京新聞』『美術手帖 ウェブ版』にて美術評論を連載。近年の個展に「近代を彫刻/超克する 雪国青森編」(国際芸術センター青森、2021)などがある。
楠田雄大は2000年生まれ、広島県出身。絵画制作の延長線上から生まれたダンボール・紙粘土などのチープな素材を用いた立体作品によって、秩序から外れた「怪物」という存在を呈示し、既存の美術史的な絵画解釈やジェンダー規範など今日支配的となっている秩序を問い直している。主な展覧会に「坊主」(DOGO、東京、2021)など、ライブイベントに「宝船 CROSS」シリーズ(ホオキパスクエア、2020~)などがある。
小寺創太は1996年生まれ、東京都青梅市出身。鑑賞空間にパフォーマーが長時間「いる」ことでオブジェクト化するパフォーマンスの形式「いる派」を標榜し、自らの身体を展示/上演する。主な出演に『Agoraphobia』(いる派[小寺創太+阪口智章+花形槙]名義、Token Art Center、東京、2021)、阿目虎南主宰舞踏公演『Baroque』(高田馬場プロトシアター、2019)などがある。
佐藤清は1998年生まれ、東京都出身。自身の姓名とジェンダーアイデンティティから着想を得て作品を制作。絵画、パフォーマンス、インスタレーションの領域を横断しながら「モブキャラクター」をコンセプトに人類のもっとも普遍的な姿を模索している。主な展覧会に「明滅 / 通電」(プライベイト、東京、2021)、個展「I AM SUPER BOY(SHE IS A SUPER BOY)『HE IS A SUPER BOY 』」(DOGO、東京、2020)などがある。
百頭たけしは1980年生まれ、栃木県出身。作家自身が「ジャンクヤード」と呼ぶ東京郊外をGoogleマップとレンタサイクルを用いてフィールドワークし、産業廃棄物が積み上げられた異様な風景を撮影し続けている。主な展覧会に「VOCA2018 現代美術の展望─新しい平面の作家たち」(上野の森美術館、東京、2018)、「不純物と免疫」(トーキョーアーツアンドスペース、東京、2017)などがある。
なお本展は、公益財団法人東京歴史文化財団 アーツカウンシル東京の令和3(2021)年度第1回「スタートアップ助成」を受けて開催される。
本展を主催するDOGOは、インディペンデントキュレーターの番場悠介が運営するオルタナティブスペース。2020年6月より東京都墨田区のアートコンプレックス・文華連邦に加盟、運営開始。中世の土豪に着想を得た「美術史に領土を獲得する」というスローガンのもと、若手作家を中心とした展覧会の主催および図録の発行、その他マネジメント業務を展開する。
「野山のなげき」は、幕末・維新期に国学者の伴林光平(1813〜64)らによって行われた山陵調査を起点に、今日の芸術におけるアヴァンギャルドの成立可能性を考察する展覧会。メインストリームのないアートシーンと現在のポストトゥルース的状況を、かつて尊皇運動の文脈で要請された山陵調査と大胆に接続し、ふたたび前衛を駆動させるためのイデオロギー創出へのフローとして再呈示しようとする試みだ。参加アーティストは、小田原のどか、楠田雄大、小寺創太、佐藤清、百頭たけしの5名。
本展は「戦後美術」のタームだけでなく、あらゆる日本文化論がタブーとしてふれようとしなかった各運動の実践における天皇制の取り扱いという問題に鋭く切り込む。明治以降の西洋文化偏重と伝統的イデオロギーの軽視が現代日本における体系のなさというものの原因だとすれば、美術の世界においてその状況は現在に至るまで続いていることを前提に、その状況下で今日無数に呈示され続ける、受容も継承もされることのない「承認されえぬ神話」を現前させるとしている。
参加作家の小田原のどかは1985年生まれ、宮城県出身。リサーチをベースにした彫刻作品を制作する。アーティストとしての活動と並行して、彫刻研究、版元経営、書籍編集、展覧会企画、評論執筆を行う。『芸術新潮』『東京新聞』『美術手帖 ウェブ版』にて美術評論を連載。近年の個展に「近代を彫刻/超克する 雪国青森編」(国際芸術センター青森、2021)などがある。
楠田雄大は2000年生まれ、広島県出身。絵画制作の延長線上から生まれたダンボール・紙粘土などのチープな素材を用いた立体作品によって、秩序から外れた「怪物」という存在を呈示し、既存の美術史的な絵画解釈やジェンダー規範など今日支配的となっている秩序を問い直している。主な展覧会に「坊主」(DOGO、東京、2021)など、ライブイベントに「宝船 CROSS」シリーズ(ホオキパスクエア、2020~)などがある。
小寺創太は1996年生まれ、東京都青梅市出身。鑑賞空間にパフォーマーが長時間「いる」ことでオブジェクト化するパフォーマンスの形式「いる派」を標榜し、自らの身体を展示/上演する。主な出演に『Agoraphobia』(いる派[小寺創太+阪口智章+花形槙]名義、Token Art Center、東京、2021)、阿目虎南主宰舞踏公演『Baroque』(高田馬場プロトシアター、2019)などがある。
佐藤清は1998年生まれ、東京都出身。自身の姓名とジェンダーアイデンティティから着想を得て作品を制作。絵画、パフォーマンス、インスタレーションの領域を横断しながら「モブキャラクター」をコンセプトに人類のもっとも普遍的な姿を模索している。主な展覧会に「明滅 / 通電」(プライベイト、東京、2021)、個展「I AM SUPER BOY(SHE IS A SUPER BOY)『HE IS A SUPER BOY 』」(DOGO、東京、2020)などがある。
百頭たけしは1980年生まれ、栃木県出身。作家自身が「ジャンクヤード」と呼ぶ東京郊外をGoogleマップとレンタサイクルを用いてフィールドワークし、産業廃棄物が積み上げられた異様な風景を撮影し続けている。主な展覧会に「VOCA2018 現代美術の展望─新しい平面の作家たち」(上野の森美術館、東京、2018)、「不純物と免疫」(トーキョーアーツアンドスペース、東京、2017)などがある。
なお本展は、公益財団法人東京歴史文化財団 アーツカウンシル東京の令和3(2021)年度第1回「スタートアップ助成」を受けて開催される。
本展を主催するDOGOは、インディペンデントキュレーターの番場悠介が運営するオルタナティブスペース。2020年6月より東京都墨田区のアートコンプレックス・文華連邦に加盟、運営開始。中世の土豪に着想を得た「美術史に領土を獲得する」というスローガンのもと、若手作家を中心とした展覧会の主催および図録の発行、その他マネジメント業務を展開する。