EXHIBITIONS

Aira & 坪山小百合「Nevertheless, we_」

2022.01.18 - 02.07

キービジュアル

 tagboat(阪急MEN’S TOKYO 7階)のギャラリースペースで、現代アーティスト・Airaと坪山小百合による2人展「Nevertheless, we_」が開催される。

 Airaは韓国出身。熾烈な競争社会から受ける圧力を強烈に意識したことが背景にあり、作品には香港の大規模デモやコロナウイルスの流行という経験を経て、「破壊」や「終わり」から自分のいる世界に対して告発を試みる外側へのエネルギーを感じさせる。

 いっぽう、坪山は病院を営む家庭に生まれ、幼い頃から医療器具や薬品が身近にある環境で育ったという原体験がある。その作品には「生命」や「自然」から自分のいる世界を理解しようとする思いと、「自己治癒」のような内側へ向かうエネルギーが感じられる。
 
 今回の2人展は、坪山からAiraへの熱烈なオファーから始まった。2021年3月の「tagboat art fair」で初めてAiraに出会った坪山は、パンチのある作風と、それとは対照的で温和な人柄のAiraに興味をもったと言う。同時に、Airaへ作家としての「同じにおい」に惹かれたと話す。

 2人は作家であると同時に、2児の母親でもある。育児で多忙な環境の中制作を続ける姿は「絵を描かなくては生きてはいけない」という、2人の制作への共通点を浮かび上がらせるだろう。

 Airaと坪山の相反する作品が同じ空間に並ぶことで生まれるコントラスト、2人の新たな世界観を会場で体感してほしい。