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Re-view

イングリット・ヴェーバー「Color Circle - XII Tone」

イングリット・ヴェーバー「Color Circle - XII Tone」より

 タグチファインアートでは、ドイツのアーティスト、イングリット・ヴェーバーの個展「Color Circle - XII Tone」を開催する。会期は1月22日~3月5日。

 ヴェーバーは1961年ドイツ・オーバーマウバッハ生まれ。91年にデュッセルドルフ美術アカデミーにて、ヤン・ディベッツによりマイスター・シューラーリン資格を取得。2000年にはエルンスト・ポンスゲン協会から奨学金を受け、1年間ニューヨークに滞在した。現在はデュッセルドルフとデューレンを拠点に活動。04年7月には目黒区美術館での「色の博物誌・黄ー地の力&空の力」展に出品したほか、同年に府中市美術館で公開制作を行うなど、日本でも積極的に作品を発表してきた。

 ヴェーバーは一貫して、単色、あるいは極めて限られた数の色彩で画面を構成するモノクローム絵画を制作。制作の準備段階として、まず注意深く顔料(ファルブミッテルー色の材料)を混ぜ合わせ、それらの配合を変えて微妙に色価(同じ色相のなかでの明暗や灰色の含有量の差異)の異なる何種類かの絵の具をつくり出す。例えば、同じ緑色でも、そこに混ぜる黄色の顔料や青色の顔料の量、また練り剤の量や種類を変えることによって、様々な緑色が生まれる。のちに、ヴェーバーはそれらのなかからいくつかの色を選び、それぞれの色ごとに作品を制作していく。

 08年、日本橋茅場町にあったタグチファインアートの旧スペースにおいて、ヴェーバーは、37×37センチメートルという同じフォーマットのキャンバスを用いて制作した、色調の異なる12点からなる作品を発表。多くの異なった色彩の作品を同時に制作することは、当時、作家にとって初めての試みであり、制作途中の様々な色彩の画面に囲まれて制作する経験を通し、個々の色彩や色彩相互の関係に関する理解を深めることになった。

 前回の個展はスペースの事情により2部屋に分けられたが、本展は作品12点を一堂に、そして円環状に展示する。カラーサークルは18世紀にJ.W.ゲーテが提唱した色彩理論だが、ヴェーバーもまた独自のカラーサークルを制作の基準としている。

 なお本展は、過去の展示や作品を再検証する試み「Re-view」の1回目となる。