EXHIBITIONS

岩熊力也展「nn asia Tuoy bikE」

2022.01.06 - 01.15

岩熊力也 nn asia Tuoy bikE #5

岩熊力也 nn asia Tuoy bikE #2

岩熊力也展「nn asia Tuoy bikE」より

 コバヤシ画廊では、長野県木曽町を拠点に活動するアーティスト・岩熊力也の個展「nn asia Tuoy bikE」を開催する。会期は1月6日~15日。

 岩熊は1969年東京都生まれ。2004年ポーラ美術振興財団在外研修生としてメキシコシティ滞在。96年よりコバヤシ画廊ほかで個展を多数開催してきた。08年には「VOCA展2008」で大原美術館買上賞を受賞し、作品は大原美術館や豊田市美術館に収蔵されている。

 日本の近現代の物事を題材する岩熊は、平面作品のみならず、衣服や家具、ヴィデオを用いた多角的なインスタレーションで知られる。今回は「nn asia Tuoy bikE」と題した、紫外線を浴びることで鮮やかなプルシアンブルーを生成する「サイアノタイプ」を使用した絵画作品を展示する(タイトルの「nn asia Tuoy bikE」は「えきびょうたいさん」のアナグラム)。

 また、同時期に長野県立美術館で「木曽ペインティングス 木曽馬に引かれて善光寺」が開催。10年代中頃、都内から木曽の山中に移り住み制作を続ける岩熊が、同地域でアートの在り方を模索し、16年より取り組んできたプロジェクトをアーカイヴで振り返る展覧会となる。


「nn asia Tuoy bikE

江戸期に疫病の退散を祈願して始められた信州木祖村の薮原神社例大祭だが、その勇猛な獅子の舞も新型コロナウィルスの流行を受けて中止となる。

一方でアマビコの名で知られていた予言獣がなぜかアマビエと名前を変えて市場に流通する。このアマビエは単に「コ」の字を「エ」と書き間違えたもののようだ。

偽物が本物を覆い隠してゆく。
威厳を失ったイメージの群れ。
人類最初の画家たちが暗闇の洞窟の奥に動物たちを描いたのは、そこが黄泉に通じていて、狩猟により命を頂いた獲物が蘇ると信じていたからではないか。
もはや絵画にそのような魔力は残されていない。
では何のために私たちは今も絵を描くのだろう。
問いはいつも振り出しに戻ってしまう。(岩熊力也)」