EXHIBITIONS

飯田Jennifer桃子、小左誠一郎「仮のダリア」

2022.01.08 - 02.06

飯田Jennifer桃子 ガイア 2021

小左誠一郎 \○/○○/\○\○/○ 2021

 飯田Jennifer桃子、小左誠一郎による2人展「仮のダリア」がTALION GALLERYで開催される。

 ニューヨーク出身の飯田は、油彩のレイヤーを平面上に流動・積層させる手法に取り組むペインター。寝かせたキャンバスの上から液体状の油絵具を注ぎ、主に勾配の変化などによって流動させながらイメージを固着させ、そのプロセスを何層も重ねて絵画作品を制作している。

 流体としての絵具を、飯田の手で慎重にコントロールされながらも、その意図を離れて重力に従い、一度定着した絵具の色合いや形象も、有機体のように変化していく。そこには、作家の何かを描こうとする意志に拮抗する、偶然性を帯びた複層的な時間が存在している。

 いっぽう小左は、最小限の要素によって可感的に立ち現れる抽象絵画に取り組んでいる。垂直の画布と向き合い、間合いを窺うように筆を突き立て、その姿形の現れにまた呼応する。小左が「試合」と呼ぶ絵画の制作過程は、一回性のストロークの揺らぎや震え、またそこから発生する色やかたちが交差する痕跡として、矩形の外へと、鑑賞者の前へと残響する。

 近年では、「UPO(undefined painting object=未確認描画物体)」と名付けるシリーズや、「◯△□」といったモチーフの根源的な意味を探りながら、相似的な構図を繰り返し描くシリーズの制作などを行っている。

 本展「仮のダリア」は、地上における重力の存在を絵画にとっての普遍的問題としてとらえる。絵画の物質的基盤について、とくに重力との密接で不可分な関係を焦点として検討することで、絵画にとってのオルタナティブな唯物論や、異なる重力下での絵画の在り方を想像する発端となることを企図して展開される。