能面100 The Art of the Noh Mask

　美術館「えき」KYOTOで、能面の芸術を紹介する展覧会「能面 100 The Art of the Noh Mask」が開催される。

　長い歴史のなかで絶えず守られてきた日本を代表する伝統文化「能」は、奈良時代に大陸から渡来した「散楽」が源流となり、室町時代に世阿弥によって大成された。演能に用いられる「能面」は一見、無表情に見えるが、舞台では多くの表情を持ち、見事なまでに人間の心理を表現している。

　本展では、世界的な能面の愛好家で研究者でもあるスティーヴェン･マーヴィンの貴重なコレクションを中心に、能楽シテ方五流派のひとつ・金剛家と、篠山能楽資料館の歴史ある能面を一堂に展覧。出品数は能面100点と能装束2点、また能面の制作工程を紹介する。

　能を象徴する言葉のひとつに「神男女狂鬼（しんなんにょきょうき）」がある。正式な上演形態とされる「翁付五番立」では曲趣の異なる能が順に演じられ、それぞれの主役を指した言葉だ。本展は、能面に込められた性格や造形を考慮し、5つの項「神・男・女・狂・鬼」に分類・展示する。