EXHIBITIONS

DOMANI・明日2021-22 文化庁新進芸術家海外研修制度の作家たち

「CONNECT⇄_」and DOMANI @ 京都「宮永愛子 公孫樹をめぐるロンド」

文化庁「障害者等による文化芸術活動推進事業」関連プログラム

京都府立図書館
2021.11.30 - 12.19

宮永愛子 ひかりのことづけ 2021 「東京ビエンナーレ2020/2021」(湯島聖堂 前庭、東京、2021)での展示風景
撮影=木奥恵三 © MIYANAGA Aiko Courtesy of Mizuma Art Gallery 

京都府立図書館外観

 文化庁による新進芸術家海外研修制度の成果を発表してきた「DOMANI・明日展」。1998年からスタートし、第11回から第23回までは国立新美術館(東京)で年に1度のアニュアル展として催されてきた。途中からは「DOMANI・明日展 plus」などで地方会場やオンラインでの開催も加わり、次第に活動の幅を広めている。

 第24回を迎える今年度の「DOMANI・明日展」は、新型コロナウイルスの影響を受け、例年の国立新美術館での大規模展開催が難しく、今回は、従来から実現の機会を探ってきた地域展開に挑む。これまでの地方会場の「DOMANI・明日展 plus」シリーズを踏襲した中・小規模の企画展「DOMANI plus」、そして文化施設の自主企画に連動する特別プログラム「and DOMANI」を2021〜2022年にかけて5会場で展開していく。

 参加アーティストは、宮永愛子(京都府立図書館)、蓮沼昌宏(水戸芸術館)、村上友重+黒田大スケ(広島城二の丸)、大塚泰子、冨井大裕(愛知県美術館ギャラリー)、長島有里枝、古橋まどか(港まちポットラックビル3F、旧・名古屋税関港寮)、志賀理江子(旧観慶丸商店・宮城県石巻市)※()内は関連展示・企画展会場。

 2021年11月30日~12月19日には、文化庁による「障害者等による文化芸術活動推進事業」の関連プログラムとして、「宮永愛子 公孫樹をめぐるロンド」展が開催される。

 宮永愛子は1974年京都府生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修士課程を修了し、現在は京都を拠点に制作を行う。日用品をナフタリンでかたどったオブジェや、塩、陶器の貫入音や葉脈を使ったインスタレーションなどで知られ、気配の痕跡を用いて時間を視覚化し、「変わりながらも存在し続ける世界」を表現している。

 宮永による展示の会場となるのは、1909年に現在の京都・岡崎公園の地に、建築家・武田五一の設計により建った京都府立図書館。日本でももっとも長い歴史を持つパブリック・ライブラリーのひとつであり、創設時から同館にある陶芸家・初代宮永東山《公孫樹文花瓶》(1908)を起点に、そのひ孫にあたる宮永が、「図書館」という文化資源を意識した、新作・近作を交えたインスタレーションを館内外で展開する。

 なお「DOMANI・明日展」のウェブサイトでは1998〜2021年開催のアーカイヴも公開中。「DOMANI plus」そして新たな枠組みとなる「and DOMANI」の詳細・最新情報とあわせてチェックしてほしい。