EXHIBITIONS

LILY NIGHT 個展「Enter the Void」

NOHGA HOTEL UENO TOKYO
2021.12.16 - 2022.03.31

リリー・ナイト Theatre #3 2020 ©︎ LILY NIGHT

リリー・ナイト Theatre #2 2020 ©︎ LILY NIGHT

リリー・ナイト 影の場所 #9 2021 ©︎ LILY NIGHT

 アーツ千代田3331のサテライト会場としても機能するノーガホテル上野は、これまで若手作家を発掘・紹介する企画展を行ってきた。今回は、ホテルフロントに位置するギャラリーで、リリー・ナイト(LILY NIGHT)による個展「Enter the Void」を開催する。

 リリーは1988年中国黒龍江省ハルピン市生まれ。日本とイギリスで美術史と哲学を研究したのち、東京藝術大学で現代美術の表現を学び、写真、ドローイング、コラージュ、映像、立体作品を発表している。

「戦争の歴史、市場経済のメカニズム、消費と支配のために作り出されるイメージに抵抗し、その中に失われた個の存在と痕跡を求め、より広い循環との関係性を求めることが制作の原点」と言うリリー。近年では、作家自身が撮影した写真にデジタル処理を施し、さらに絵具や樹脂を用いるなど、表現の可能性を広げている。

 アーティスト名をリリー・シュウ(LILY SHU)からリリー・ナイト(LILY NIGHT)に改め、初めての展示となる本展では、モノクロームから鮮やかな色彩まで、幅広く色を操り、無機質な印象と同時に、人間の精神性や記憶の断片を想像させる。

「海外にわたってもうすぐ15年間が経ちます。その中でよく聞かれたのは、あなたはどこから来て、なぜここに、そしてどこへ行くのか、ということ。
私たちはよく人生を旅に例えますが、それはもしかして、ただの例えではないかもしれません。この三つの質問の答えが当たり前のようになった時に、主語が死ぬことになると思います。それは個人であろうか、社会であろうか、国家であろうか、芸術であろうか。
と同時に私は自分の身体という空間の中に暮らし、常に身体という媒体、身体に付き纏う記号を経て世界と向き合い、触れ合います。そのこと対する省察として、作品をつくってきました。
今回、様々な手による痕跡、光による痕跡が残された平面をもって展示を構成しました。ぜひご高覧いただければ幸いです(LILY NIGHT)」。