EXHIBITIONS
緑の道 / Green Routes by nca | nichido contemporary art
CADAN有楽町は、東京・八丁堀を拠点とするnca | nichido contemporary art(日動コンテンポラリーアート)の企画による展覧会「緑の道 / Green Routes」を開催する。参加アーティストは、ティントン・チャン、イーチュン・ロー、ジーホン・リュウ、坂本和也の4名。
人類の歴史においてつねに存在してきた植物。近年、深刻な異常気象や大気汚染など、人類が自然環境に与える影響は世界規模で大きな課題となっている。本展では、台湾を起点に植物やそのルーツへの関心から表現の題材にしている4名のアーティストに焦点を当て、様々な視点から植物(緑)と人間の道のりを考察し、過去を行き来しながら私たちがいま抱える問題を提示する。
ティントン・チャン(張碩尹)は1982年台湾生まれ。台北とロンドンを拠点に活動。不条理で非理論的な社会や、消費主義の現代社会が与える社会的、生態的影響などあらゆる問題を提議し、ドローイングやパフォーマンス、立体、映像といった様々な手法を用いて科学やテクノロジー、歴史など、自身を取り巻く世界を解体・融合させて作品に表する。本展では、チャンが山間部に2週間滞在し、アミ族の猟師たちの協力のもと、現地で集めた材料を使って住居を建てるまでを映像で記録した最新の映像インスタレーションを展示する。
イーチュン・ロー(羅懿君)は1985年台湾生まれ。現在、台北を拠点に活動。人と自然の関係、歴史をテーマに様々な地域コミュニティに入り、フィールドリサーチを通して作品を制作している。その表現はドローイングや大型インスタレーションなど多岐にわたり、モチーフにバナナの皮やたばこの葉など自然素材を用いるのも特徴だ。本展の新作シリーズでは、生活必需品として製造される砂糖だけでなく、エタノール混合航空機ガソリンをも生成するサトウキビに焦点を当て、私利私欲を追求する人間社会に警鐘をならす。
坂本和也は1985年鳥取県生まれ、愛知県を拠点に活動。自身の趣味である水草の飼育(アクアリウム)を通して、生態系の構成要素のなかに現代の社会環境との類似性を見たことから、植物をモチーフにして物事の内面を表そうとしている。また、坂本は自身が育てる水草のルーツが台湾であることから、2017〜18年には文化庁海外派遣制度にて台北に滞在。国によって異なる植物と人との関わり方や、複雑な歴史背景の考察を通して、近年の表現はより多面的な要素を含んでいる。
ジーホン・リュウ(劉致宏)は1985年台湾生まれ。現在、台北を拠点に活動。日常生活や周囲の環境、また旅先で見た風景や事象題材に作品に表し、自然景観や事物の観察だけでなく、感情や感覚、時間を多面的にとらえ、視覚化しようと試みている。コロナ禍のハーフロックダウン中に描かれた今作は、夜明け前に自転車を走らせた道のりで見たバナナの木をモチーフとしており、コロナ禍の見えない不安と息苦しさ、精神状態が見えると同時に現状から逃避し、自由を求めて走った解放感も見えてくるようだ。
人類の歴史においてつねに存在してきた植物。近年、深刻な異常気象や大気汚染など、人類が自然環境に与える影響は世界規模で大きな課題となっている。本展では、台湾を起点に植物やそのルーツへの関心から表現の題材にしている4名のアーティストに焦点を当て、様々な視点から植物(緑)と人間の道のりを考察し、過去を行き来しながら私たちがいま抱える問題を提示する。
ティントン・チャン(張碩尹)は1982年台湾生まれ。台北とロンドンを拠点に活動。不条理で非理論的な社会や、消費主義の現代社会が与える社会的、生態的影響などあらゆる問題を提議し、ドローイングやパフォーマンス、立体、映像といった様々な手法を用いて科学やテクノロジー、歴史など、自身を取り巻く世界を解体・融合させて作品に表する。本展では、チャンが山間部に2週間滞在し、アミ族の猟師たちの協力のもと、現地で集めた材料を使って住居を建てるまでを映像で記録した最新の映像インスタレーションを展示する。
イーチュン・ロー(羅懿君)は1985年台湾生まれ。現在、台北を拠点に活動。人と自然の関係、歴史をテーマに様々な地域コミュニティに入り、フィールドリサーチを通して作品を制作している。その表現はドローイングや大型インスタレーションなど多岐にわたり、モチーフにバナナの皮やたばこの葉など自然素材を用いるのも特徴だ。本展の新作シリーズでは、生活必需品として製造される砂糖だけでなく、エタノール混合航空機ガソリンをも生成するサトウキビに焦点を当て、私利私欲を追求する人間社会に警鐘をならす。
坂本和也は1985年鳥取県生まれ、愛知県を拠点に活動。自身の趣味である水草の飼育(アクアリウム)を通して、生態系の構成要素のなかに現代の社会環境との類似性を見たことから、植物をモチーフにして物事の内面を表そうとしている。また、坂本は自身が育てる水草のルーツが台湾であることから、2017〜18年には文化庁海外派遣制度にて台北に滞在。国によって異なる植物と人との関わり方や、複雑な歴史背景の考察を通して、近年の表現はより多面的な要素を含んでいる。
ジーホン・リュウ(劉致宏)は1985年台湾生まれ。現在、台北を拠点に活動。日常生活や周囲の環境、また旅先で見た風景や事象題材に作品に表し、自然景観や事物の観察だけでなく、感情や感覚、時間を多面的にとらえ、視覚化しようと試みている。コロナ禍のハーフロックダウン中に描かれた今作は、夜明け前に自転車を走らせた道のりで見たバナナの木をモチーフとしており、コロナ禍の見えない不安と息苦しさ、精神状態が見えると同時に現状から逃避し、自由を求めて走った解放感も見えてくるようだ。





