「2121年 Futures In-Sight」展

　21_21 DESIGN SIGHTが展覧会「2121年 Futures In-Sight」展を開催中。展覧会ディレクターには、テクノロジーが人類の文化やライフスタイルをいかに変えるのか、その未来を見据えた数多くの書籍や雑誌を手がける編集者の松島倫明を迎える。

　英語で優れた視力を表現する「20 / 20 Vision（Sight）」。「21_21 DESIGN SIGHT」の名称は、さらにその先を見通す場でありたいという、「未来」にむけた想いからつけられた。2021年からちょうど100年後、「21_21 DESIGN SIGHT」の活動の名称と同じ数字を持つ100年後の世界に想いをめぐらせるところから、この展覧会の構想は始まった。

　古くから人々は、明日の天気から国の繁栄まで、まだ見ぬ先の世界をとらえるために、様々な予言や予測を行ってきた。近年では、情報解析や計測に関するテクノロジーの著しい進歩に伴い、より精緻な予測が可能になっているように感じられるだろう。しかし、予測できなかった世界的なパンデミックによって、それまでの生活様式やコミュニティのあり方、コミュニケーションの手法、そして物事の考え方や価値観などが劇的に変化していく様子を目の当たりし、「未来」がいかに未知なるものであるかを私たちは強く実感することとなった。

　本展は「Future Compass（未来の羅針盤）」というツールをきっかけに、未来を思い描くだけでなく、現在を生きる私たちの所作やつくり出すものに内在する未来への視座を、デザイナーやアーティスト、思想家、エンジニア、研究者など、多様な参加者たちとともに可視化していくことを試みる。身近な存在からまだ見ぬ他者、それらをめぐる様々な時間軸へ思いを馳せるなかから生まれた未来にまつわる多彩な視座が、会場に集結し、繁茂する草木のように複数形の未来を形成していく。

　参加作家名は、青木竜太、安藤瑠美、e-lamp.（山本愛優美）、石川凜、we+、evala、大塚桃奈（WHY）、岡崎智弘、岡島礼奈、木原共、Qosmo×朝日新聞社メディア研究開発センター、佐藤卓、Synflux、諏訪綾子、生環境構築史、東京藝術大学Sputniko!Lab（M2岩藤愛実）、長嶋りかこ、PARTY、HUMAN AWESOME ERROR、廣川玉枝、深澤直人、舩橋真俊、Placy、細尾真孝、muiLabほか。

「未来」を考えるという姿勢自体を示す本展は、現在を生きる私たちとこれからを生きる世代にとって、デザインとともに明日を創造していくための豊かな洞察力（Insight）を養う機会となることを目指す。