EXHIBITIONS

木村直人写真展「GERMANY」

© Naoto Kimura

 KKAGでは、木村直人による写真展「GERMANY」を開催する。会期は12月1日〜18日。

 木村は1987年よりフリーランスの写真家として活動。91年にパルコプロミッシングフォトグラファー・3、95年に日本広告写真家協会およびニューヨークADC / 写真ポスターに入選し、ほか国内外で受賞。仕事として雑誌、ファッション、トラベル、自動車、インテリア、建築、大手企業の広告写真を手がけている。

 2008年にレーベル「スタジオトリコ」を設立、出版制作部とする。11年からは刀匠・宮入法廣の刀剣や、徳川ミュージアム所蔵の名刀を撮影。最近では刀剣作家や陶芸家、ガラス作家、落語家、建築家の活動や作品と、アーティストフォトの撮影をライフワークとしている。

 本展では、木村がまだ写真家として駆け出しの頃、ベルリンの壁が崩壊した直後の旧東ドイツで撮影したモノクロ作品約20点を展示。また会場では、本展に合わせて制作された写真集も販売される。

「パンデミックで海外に気軽に行けない中、古いロードムービーでも観るように記憶の旅を辿るうち、30年あまり前の旅のフィルムに行き着いた。それは、僕の写真家としての原点ともいえる旅だった。

ベルリンの壁が崩壊して間もなく、まだ駆け出しの写真家だった僕は旧東ドイツから西ドイツに抜ける旅に出た。目的は、壊れたばかりの壁でも 東西に開かれたばかりのブランデンブルク門でもなく、おそらく『いま』しか体験できないであろう旧東ドイツで写真を撮ることだった。

1990年2月、僕はまずチューリッヒに飛び、レンタカーで一路 旧東ドイツを目指した。カーナビもスマホもグーグルマップもなかった当時、現地で入手したロードマップとガイドブックのわずかな情報だけを頼りに、あちこち彷徨(さまよ)いながら、エアフルト、ドレスデン、ライプツィヒ……と旅を続けた(木村直人)」。