EXHIBITIONS

マリー・ロージー展

〜予測不可能な画家・終わりのない変革〜

代官山ヒルサイドフォーラム
2021.12.15 - 12.26

マリー・ロージー トーク イン カラー #3 2021

マリー・ロージー 猿の夢を見る少女 2020

マリー・ロージー 流れゆく思考 2020

マリー・ロージー ゴールデン・ポット 2017

マリー・ロージー トーク イン カラー #4 2021

マリー・ロージー 猿まね小僧たち 2018

マリー・ロージー 喜びの瞬間、地下鉄のフェルメール 2018

マリー・ロージー 青の踊り 2016

 高祖父ポール・セザンヌの魂を継承する画家、マリー・ロージーの日本初となる展覧会「マリー・ロージー展 〜予測不可能な画家・終わりのない変革〜」が開催される。

 マリー・ロージーは1961年フランス・マルセイユ生まれ。幼少より、描くこと、デッサンすることに親しむと同時に、生物が好きで生物学を学び、またあらゆることに興味を抱く探究心旺盛な少女だった。18歳になる時に進路の選択を迫られ、画家になることを決意。パリのエコール・デ・ボザールに進み、卒業後はヨーロッパ各地の画廊で作品を発表してきた。また子供向けの美術教育本『Cut, Stick, Draw(切る、貼る、描く)』を刊行するほか、画家の活動と並行して、パリの公立小学校Chomel Public Schoolの教師として絵画の教鞭もとっている。ロージーは表現者として、そして30年以上にわたる小学校の美術教師としての経験を通して「芸術は自分自身を考え、洞察力、想像力を成長させる能力を育むことができる」と語る。

 絵画鑑賞の醍醐味のひとつは、画家がキャンバスに書き込んだ意味に自分の答えを見出すこと。ロージーが描く人物、集団、動物、風景、静物、古典絵画へのオマージュといった多様な作品群は、このことを率直に表すように無数のメッセージを内包している。

 新しい絵画表現の探求に人生をかけた「近代絵画の父」ポール・セザンヌを高祖父にもつロージーの絵画は、自身のルーツや伝統への敬意も払いつつ、現代社会の課題を認識させる主題や感情を共存させた構成が特徴。フランスで「予測不可能」と評されるロージーの作品は、日常や価値観が大きく揺れ動き続ける世界に生きる私たちに向けて、想像力を刺激し、読み解こうとする好奇心を限りなく広げてくれる。

 本展では、多様なモチーフを描いた原画約70点を一同に公開し、ロージーが描く圧倒的なパワーあふれる世界を展覧する。