EXHIBITIONS

美しき庭園画の世界

江戸絵画にみる現実の理想郷

2017.10.21 - 11.12, 2017.11.14 - 12.10

狩野惟信 戸山荘八景図巻(部分) 徳川美術館蔵

狩野惟信 戸山荘八景図巻(部分) 徳川美術館蔵

谷文晁 浴恩園図記(部分) 天理図書館蔵

池大雅 蘭亭曲水図屏風 静岡県立美術館蔵 重要文化財

 江戸時代の日本の人々にとって、庭園は社交や儀礼の場、そして日常のなかで名所や憧れの地へと想いを馳せることのできる、現実の理想郷ともいうべき場所であった。そんな庭園の美しさを絵にとどめたい、あるいは普段眼にすることができない名園を絵で見たいという人々の求めによって、江戸時代には数多くの「庭園画」が描かれた。

 本展は、江戸絵画において重要なジャンルを形成した「庭園画」の成立と展開を、江戸時代初期から幕末に至る絵画作品によってとらえようとするもの。関東と関西における庭園画の流れとともに、江戸時代の庭園画の歴史を概観し、実景を描いた絵画と庭園画の関係に注目することで、江戸絵画史の展開のなかでの庭園画のひろがりと魅力を紹介する。