EXHIBITIONS

美男におわす

2021.11.27 - 2022.01.24

木村了子 夢のハワイ− Aloha 'Oe Ukulele 2016(平成28) 作家蔵 撮影=宮島径

山村耕花 梨園の華 初世中村鴈治郎の茜半七 1920(大正9) 島根県立美術館蔵(前期展示)

高畠華宵 主税の奮戦 昭和初期 弥生美術館蔵 (前期展示)

川井徳寛 共生関係~自動幸福~ 2008(平成20)  鎌苅宏司氏蔵 © Tokuhiro Kawai Courtesy of Gallery Gyokuei

 島根県立石見美術館で、美術の視点から「美男」に注目する展覧会「美男におわす」が開催される。

 日本美術史において、「美人画」は絵画のなかでも人気のジャンルであり広く認知されてきたが、「美男画」という呼称は聞き慣れないだろう。しかし男性像が描かれてこなかったわけではなく、どの時代においても人々は男性像に理想を投影し、心をときめかせてきた。

 江戸時代の絵画には、鈴木春信や喜多川歌麿ら美人画を得意とした浮世絵師は美男も描いており、現代では、美男を扱ったマンガやアニメ、ゲームなども人気だ。ある時は聖なる存在として、またある時は憧れのヒーローとして、あるいは性愛の対象として、様々な男性像が表現され、老若男女問わず広く受容されてきたと言える。

 本展は、絵画をはじめとする日本の視覚文化に表された美少年、美青年のイメージを追い、人々が理想の男性像に何を求めてきたかを探る試み。浮世絵や日本画から、大正・昭和に少年少女のあいだで絶大な人気を誇った高畠華宵や伊藤彦造の美男像、マンガやイラスト、現代美術まで時代やジャンルを問わず、多彩な男性像を一堂に集め、その制作や受容の背景、そして男性像のこれからについて考える。