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EXHIBITIONS

うらあやか個展「貝の/化石が/跡を残して/化石の/雌型/となった/身体」

金沢市民芸術村アート工房 PIT5
2021.11.17 - 11.30

フライヤーデザイン:浅田農(明津設計)

うらあやか 差異と差別、何の関係もない、切り離された、別の仕事(塩っぱいアイスクリームショップ) 2019 パフォーマンス

うらあやか 青いドレスを着る、空いた幕に座る、八朔を食べる 2019 パフォーマンス

 うらあやかの個展「貝の/化石が/跡を残して/化石の/雌型/となった/身体」が金沢市民芸術村のPIT5 アート工房で開催されている。

 うらは1992神奈川県生まれ。2015年武蔵野美術大学油絵学科卒業。相反する物事を反転若しくは攪拌する装置としての作品を目指す。観客との協働によって成立させる参加型パフォーマンス作品を多く制作。作品形態の一つとして、展覧会やイベントの企画にも取り組んでいる。19年より東京造形大学に事務所を持つ学生自主創造センター「CSLAB」の管理人に。また美術関係者の女性たちのネットワーク「female artist meeting」の企画運営を都賀めぐみとともに行っている。

 これまで、自身がその場で参加者と行為をすることで作品としての場を機能させてきたうら。本展は、うらが行った複数の参加型パフォーマンスの過去作および新作パフォーマンスの展示であり上演となる。

 会場にはそれぞれのパフォーマンス作品の「レコード」としての粘土作品とメモを展示。常駐する2人のパフォーマーによって、レコード(記録)された指示がその身体を通して再生される。そこではうらが過去に行ったパフォーマンス内容と必ずズレが生じ、また、行為を抽象化した指示書によって2人のパフォーマーのあいだでも解釈の齟齬が生じることだろう。

 観客は、2人のパフォーマーが各々の解釈のズレを引き受けあったり、補完しあったりしながらうらのパフォーマンスをぎこちなく上演するさまを目にすることとなる。そこではうらが過去に行ったパフォーマンスで検討された身体の在り方を示す粘土、それを読みつくり変えながら上演する2人の身体、そしてそれを見る鑑賞者の身体という複数の視点や身体が共存しながら、間接的かつ直接的に関わり合う術を模索する。

 またうらは本展において、輪郭を持たないパフォーマンスと未来の鑑賞者との関係を、「貝の化石を握って手についた跡」をヒントに考察する。会期は11月30日まで。