EXHIBITIONS

åbäke & LPPL「河豚学校 part1 2021」

2021.11.05 - 12.04

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 CLEAR GALLERY TOKYOで、åbäke & LPPLによる「河豚学校 part1 2021」展が開催されている。12月4日まで。

 åbäke(アバケ)は、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートで出会ったパトリック・レイシー(イギリス)、ベンジャミン・ライヘン(フランス)、カイサ・ストール(スウェーデン)、マキ・スズキ(フランス)によって、イギリス・ロンドンで設立されたグラフィックデザイン集団。活動初期より現代美術の世界でも活躍しており、グラフィックがどのようにして文化的な伝達形態をとるかという問題を提起し、デザインの社会的側面と、コラボレーションがプロジェクトにもたらす力をテーマに、独立した、領域を横断する参加型のプロジェクトを展開している。

 2018年、åbäkeは第4回イスタンブール・デザインビエンナーレ「A School of Schools」にて、「Fugu Okul」を出展。このプロジェクトは、2003年にトルコ沖で謎の出現を見せたフグ(河豚)を出発点として、環境問題から、地政学、現代美術まで、様々な分野を探求し学ぶことを提案している。フグを起点とした一連の経験的なリサーチを通した、実験的、共同的、参加型の「研究」は、デザイン、芸術を通した知識の成果物というだけでなく、その状況における自己と、社会と自然との倫理的、権力的な構成について示唆している。

「Fugu Okul」および本展「河豚学校」は、言語や国境、政治や宗教など様々な要因で分断される時代に、連想と興味によって、人々と会話を深め、理解するための進歩的で、学際的なアプローチ。イスタンブールの街で見たグラフィティから、トルコで即座に外来種の烙印を押されたフグをひもづけ、作家の好きなスターのポスターの上に落書きを施した作品のほか、フグの剥製を用いた漆の作品、イスタンブールのガラタ橋で売られている釣り竿を保持する道具を用いた作品を展示している。

 また会場には、作家が寄稿したテキストとのエクスチェンジとして、マックス・ラムとコラボレーションをした彫刻作品、日本からヨーロッパへ旅をするフグの物語をもとに、テムズ川の砂で鋳造されたHPソースとブルドックソースのボトルを、スウェーデンのガラス作家・Yoko Andersson Yamanoの吹きガラスと融合させた作品なども並ぶ。