EXHIBITIONS

髙木智子「きのうとよくにてるきょう」

2021.11.13 - 12.18

髙木智子 タンポポ 2021

髙木智子 焚火の準備 2021

髙木智子 繰り返し通る道 2021

 髙木智子の個展「きのうとよくにてるきょう」が開催される。ARTCOURT Galleryでの個展は今回が初となる。

 髙木は2015年に京都市立芸術大学大学院の絵画専攻油画を修了。14年に「京展」(京都市美術館)で市長賞・京都市美術館賞を、翌年には「新鋭選抜展 琳派400年記念」(京都文化博物館)で読売賞を受賞するなど、在学中より注目を集めてきた。近年も国内外で精力的に発表を続けており、今後さらなる活躍が期待されている。

 あふれんばかりの色彩に思わず指でふれたくなる絵具の凹凸、そのなかに見え隠れするモチーフの姿。髙木は「私は(あなたは)一体何を見ているのか?」という素朴な問いを背景に、描く対象と自らの認識の間に潜むズレと、イメージと絵具の物質性が互いをつくり出すと同時に、抑圧し合うという絵画上の矛盾を重ね合わせ、「見えるようで見えない」「バラバラなようでひとまとまりの」絵画世界を生み出してきた。

 本展では、毎日少しずつ変化する景色や同じ名前でくくられてはいるが一つひとつ異なる存在など、コロナ禍の日々を過ごすうちに目に留まるようになった、身近な世界をかたちづくる「類似と差異」、そして「昨日とよく似ている今日」という時間の連なりに焦点を合わせ、新たな試みとなるモチーフやインスタレーション手法による新作群を発表する。