EXHIBITIONS

木村佳代子、牧田愛「世界の起源、生命の呼び声」

2021.10.30 - 11.19

木村佳代子 obsession#2 2021

牧田愛 Crustal movement 2021

 Sansiao Galleryでは、木村佳代子と牧田愛の2人展「世界の起源、生命の呼び声」を開催。本展は、小金沢智(東北芸術工科大学芸術学部美術科日本画コース専任講師)がキュレーションを手がける。

 木村は1971年東京都生まれ。現在は千葉県を拠点に首都圏で活動。画面を漆黒の宇宙空間や虚無の空間に見立て、一輪の花をひとつの世界として描いている。近年は、それまで和紙にアクリリックだった技法をキャンバスに油彩へと移行し、さらに奥行きのある世界観へ変容することを試みている。

 牧田は1985年千葉県生まれ。東京とニューヨークで活動し、機械や金属類、プラスティックなどの人工物をモチーフに描く。無機的なモチーフで有機的なイメージを創造し、人工と自然、デジタルとフィジカル、二次元と三次元の境界はどこにあるかなどをテーマに、人の視覚を揺さぶる作品をつくり続けている。

 木村は花という有機物、牧田は機械や金属類といった無機物をモチーフとし、一見対照的なふたり。しかし共通して、世界の構造や生命そのものへ強い意識を注いでいる。

 本展のキュレーションを担当した小金沢智は、木村から牧田への呼びかけで始まった「世界の起源、生命の呼び声」について、「有機物と無機物、自然物と人工物というモチーフのコントラストを呼び水としながら、重大な自然災害そして感染症を経たこの世界において、互いの世界観・生命観が交錯する場として作り上げられる」と述べている。