EXHIBITIONS

河本蓮大朗、高橋美衣「SOFT」

2021.10.29 - 11.19

キービジュアル

 Art Technologiesでは、河本蓮大朗と高橋美衣によるグループ展「SOFT」を開催する。11月19日まで。

 河本は1991年神奈川県生まれ。2015年に横浜美術大学工芸領域テキスタイルデザインコースを卒業後、17年に横浜美術大学彫刻コース研究生を修了。織物の制作を中心に、染織独自の質感や色彩と、素材が持つ背景やストーリーを重要な要素とし、制作を続けている。

 自らを「染織家」と名乗ることもある河本が素材として扱うのは、シャツ、タオル、ストールなど、人に使われるためにつくられ、様々な人とともに場所と時間を過ごし、やがて捨てられていく古着や布だ。そこから綿・麻・シルク・ナイロンなど、異なる素材を1本1本の糸に戻してから丁寧に機織り機でつなぎ合わせている。ひとつの絵画ような美しいマチエールの作品は、使っていた人の記憶を想像し内包しながら、古着は河本の手によってそれぞれの素材が持つ生命力を発揮し、新しい作品へと生まれ変わる。
 
 高橋は1994年北海道生まれ。2017年に横浜美術大学工芸領域を卒業後、現在は鎌倉市を拠点に活動。日々何気なく描きためている落書きから着想を得て、ペインティングや立体作品の制作を行う。

 日常の風景や空気といった、意識しなければ残らないものを繰り返し、ドローイング、ペインティングとして制作することで、無意識に現れたようなかたちをつくり出す高橋。頭のなかで生まれた自由なかたちを立体化するために素地としてテラコッタや樹脂を用い、特殊な仕上げで硬化することで、これまでに感じたことのない不思議な質感を持った彫刻作品を手がけている。

 本展では河本は代表作である「WP」シリーズより、平面作品6点の新作を発表。いっぽう高橋は、大作《Gradation Form(Y/P)》を含む新作4点を展示する。

 展覧会のタイトル「SOFT」は、2者の作品に共通した、既成概念にとらわれない自由な発想と、硬いようで柔らかい、不思議な色彩感と素材感を表現しながら、それらの作品がこの時代にアートとして成立している様々な要素への可能性を示唆している。