EXHIBITIONS

山本理恵子「Urlandschaft-原風景- Ⅱ」

京都岡崎 蔦屋書店 アートウォール京都 2021.11

山本理恵子 a reproduction of a picture I drew when I was 8 years old 2021

山本理恵子 Lebkuchenhaus am Fenster 2021

山本理恵子 People passing in front of me 2021

 気鋭のペインター・山本理恵子による「Urlandschaft-原風景- Ⅱ」展が開催されている。「京都」を中心に、いま注目すべきクリエイターを紹介するシリーズ「アートウォール京都」の第3弾。

 山本は1985年大阪府生まれ。2011年に京都市立芸術大学大学大学院美術研究科絵画領域を修了、「VOCA展」(上野の森美術館、東京、2010)をはじめ数々の展覧会で精力的に発表。図像同士の関係性と境界そのものに着目し、筆触により逸脱すること/留まることを繰り返しながら、図と地の共振する絵画を制作している。

「図像同士の関係性と境界そのものに着目し」と作家が語るように、現前する図像からその絵画はスタートし、自身の身体を伴った筆致により解体と再統合を繰り返す。その繰り返しはいつしか図像を離れ、新たな作品として表現される。

 新作を含む本展は、山本が幼少期を過ごしたドイツのスナップや、当時に描いた風景画といった親密なイメージが絵画の起点となっている。その個人的でありつつもどこか遠いイメージは、山本の絵画にまた新たな筆致や色彩を呼び込む。

 山本が描く、ノスタルジックでありながらどこか温かみのある「原風景」を楽しんでほしい。