三島喜美代「Early Works」

　1950年代より絵画を制作し、60年代では絵画の中に和洋雑誌、新聞の記事や広告の印刷物などをコラージュする作品を手がけた三島喜美代。

　三島は、シルクスクリーンやエッチングなどの様々な技法による模索を経て、70年代初頭に陶に新聞記事を転写する彫刻作品を作り始め、新聞記事や広告、飲料水の缶、漫画雑誌、電話帳、大型産業廃棄物といった、日々消費されては捨てられる「ゴミ」から陶の立体作品を生み出す自身のスタイルを完成させた。

　本展では、初期の油彩とともに、作家が撮影した積み上げられた新聞の写真とそこから制作された銅版画、80年代の新聞の大型立体作品を展示。また、ファウンド・オブジェで制作された立体コラージュともいうべき80年代半ばの貴重な立体作品を加え、様々な技法や媒体を自由に行き来しながら、独自の視点で現代社会と対峙してきた三島の60〜80年代までの創作活動をたどる。