EXHIBITIONS

ムニール・ファトゥミ

Peripheral Vision

ムニール・ファトゥミ  過ぎ去った子供たちの歌 瀬戸内国際芸術祭(2016)での展示

ムニール・ファトゥミ between the lines

ムニール・ファトゥミ The Lost Springs (「第54回 ヴェネチアビエンナーレ The Future of A Promise」(2011)での展示の様子)

 モロッコに生まれ、現在はパリを拠点に制作を続けるムニール・ファトゥミが、「飛ぶ時間」をテーマにギャラリーでの個展を初開催する。

 ファトゥミは宗教を含め、消費やイデオロギーなど様々なテーマに鋭く介入。真摯に問題に向き合い、温厚な人柄で自らのアイデンティティを普遍化させていく制作姿勢が高く評価され、近年は欧米だけでなく中東圏やアジアにおいても発表を行っている。今年の「ヴェニス・ビエンナーレ」では、60年ぶりにチュニジアの代表として参加し、「亡命館」を通して、移民問題や人々の移動の自由を問いかける作品を提示した。

 本展では、2016年の「瀬戸内国際芸術祭」で廃校を舞台に展開したインスタレーション作品を再構成するほか、信仰対象の冒涜、宗教独自の教義とイデオロギーの破壊と終焉を主題とする小作品も展示。過去とは何か、教育とは、自国文化を継承する制度はどうあるべきかなど様々に投げかける。