EXHIBITIONS

市川平-セルフコラボ展

コンタクト・ドーム 旧作 組み立て風景

Contact Dome Tour Project イメージ画像

電車型の移動光源装置を使った旧作 撮影=鈴木登志代

 市川平(いちかわ・たいら)は、元彫刻家で現在は特殊照明家という異色の作家。その個展「市川平-セルフコラボ展」が入善町 下山芸術の森 発電所美術館で開催されている。

 市川は1965年東京都生まれ、東京都在住。91年に武蔵野美術大学院を修了。主な展覧会に「アーツさいたま・きたまちフェスタ Vol.6・ASK6」(埼玉、2020)、「岡本太郎美術館20周年記念展-これまでの企画展みんな見せます!後期 芸術と社会・現代の作家たち」(川崎市岡本太郎美術館、2019)、「六甲ミーツ・アート 芸術散歩 2019」(兵庫)などがある。

 市川は、武蔵野美術大学在学中の《ドームのないプラネタリウム》(1988)を制作したのち、現代的なモチーフを選び彫刻でありながら、様々な素材や要素を取り入れたSF的な物語性を感じさせる作品群をつくってきた。同大学院修了となった91年に第2回キリンコンテンポラリーアワード受賞、93年には第3回ジャパン・アート・スカラシップ受賞と、彫刻家として順調に活動を続けるも、次第に「彫刻家」の肩書に納まらない活動が増えていき、2015年に「特殊照明作家」と名乗って以降、「彫刻家」のフィールドに縛られず活動範囲を大幅に広げている。

 市川は自作の移動光源装置を用い、自身が制作した造形作品や、他の作家の作品、周辺の建造物を照らすことで、見たこともないような動きをする光と影の表情をつくり、造形作品や空間の新たな魅力を引き出す。本展は、彫刻家時代(1988年~2015)のデビュー作や未完の大作と、特殊照明作家時代(2015年~現在)の最新照明装置とのセルフコラボ、そして発電設備が遺る美術館空間とのコラボレーションとして、移動光源装置に不可欠な電力を生み出していた元水力発電所にて、大規模な光のインスタレーション作品を展開する。