EXHIBITIONS

2つの時代の平面・絵画表現-泉茂と6名の現代作家展

2021.10.09 - 10.31

左から時計回りに、泉茂 『シルクスクリーンプロセス版画集』第2集より 1969、今井俊介 untitled 2019、泉茂 三角 1984、上田良 S字ホイップ粘土、アクリル板、注目 シール、ピーコックグリーンの陶片、ホログラム 名古屋港水族館、元ブルーボックス 2020、五月女哲平 I can hear 2017、杉山卓朗 20個の四角形 2020、佐藤克久 面忘 ぐるんくるん 2021、加藤巧 Spinach 2021 ※参考画像を含む

 Yoshimi Artsでは、the three konohana(大阪市此花区)との共同企画展「2つの時代の平面・絵画表現-泉茂と6名の現代作家展」を開催する。

 これまで主催の2ギャラリーは、泉茂(1922〜95)の再評価の機運を醸成することを目的に、 2017年と2019年の2回の共同企画、2018年と2020年はYoshimi Artsの主催で泉の個展を毎年開催してきた。

 泉は1922年大阪府生まれ。大阪市立工芸学校図案科卒業。瑛九らと1951年に結成した「デモクラート美術家協会」で活動し、叙情的な作風の版画が国内外で高い評価を得る。同会解散後、1959年から10年間にわたり滞在したニューヨークとパリで、当時の現地の美術の動向にふれ、抽象的な平面表現へと作風を大きく転換。帰国後は、主観を排除し、描くことの本質を追究した作品を、晩年まで精力的に制作・発表した。1995年没。

 これまでの泉の評価は、デモクラート美術家協会に所属していた頃の1950年代の版画作品や、ニューヨークとパリに渡航していた頃の60年代の油彩作品など、特定の時期の作品に偏る傾向があった。その観点から、両ギャラリーは、それ以後の様々な平面表現の技法や思考を精力的に取り込み、短いスパンで作風を変化させていく60年代後半から晩年の90年代前半の作品の展開に注目して、様々な視点による泉の展覧会企画に取り組んできた。この4年間で、生前の泉を知らない世代の人々に、泉の存在と多角的な制作活動とその思考の認識が広がり、さらには若い世代の作家からは、泉の作品とその制作方法に多くの共感の声を得ている。

 2017年の最初の泉の展覧会企画から5年目、3度目の共同企画となる本展は、泉と共に6名の現代作家が出品する初のグループ展形式となる。Yoshimi Artsでの出品作家は、泉茂、今井俊介、加藤巧、佐藤克久、the three konohanaでは、泉茂、上田良、杉山卓朗、五月女哲平の作品を展示。6名の現代作家は泉と直接の関わりはないが、その表現や制作方法の傾向に共通点が見られ、現代の絵画・平面表現の展開に意欲的に取り組んできた。2つの会場で展示する泉の様々な時代の作品を起点に、6名が泉に対する各々の思考や解釈、感化から導き出された新作を発表する。

 また会期中の10月18日、10月25日には、2つの時代の表現の接点について議論するトークショー(オンライン)を開催。時代の異なる泉と現代の作家、双方の作品を並置する本展が、その共通点や違いを考える機会になればとしている。