EXHIBITIONS

セラム「クリクラボ―移動する教室」

セラムがアジア・アート・ビエンナーレ2017 で実施した「知識のマーケット」の様子 写真提供=国立台湾美術館

セラム 写真提供=セラム

 インドネシアを拠点とするアーティスト・コレクティブ、セラムによる日本初個展「クリクラボ―移動する教室」が山口情報芸術センター[YCAM]で開催される。会期は10月30日~2022年2月27日。

 セラムは2006年に設立され、アートと教育を中心に活動する多彩な経歴を有するメンバーが参加。セラム(Serrum)という名前は、「シェア(share)」と「ルーム(room)」を組み合わせた造語で、「部屋を共有する」という意味がある。

 これまでセラムは国内外の様々な背景を持つ人々とコラボレーションしながら、ヴィデオや壁画、グラフィック、マンガ、インスタレーション、アートプロジェクト、展覧会、ワークショップ、ディスカッション、ビジュアル・プロパガンダ活動など多岐にわたるアプローチで、社会や政治、都市、教育といった問題に取り組み、議論の場づくりに努めてきた。

 本展では、「地域コミュニティ」や「学び」といった主題に焦点を当て、セラムのこれまでの活動を紹介するとともに、来場者の対話を促すイベント形式の3つの作品を実施。訪れた人々の価値観や知恵を蓄積し、展覧会全体が共有されるプラットフォームとして機能していく。

 異なる世代やバックグラウンドを持つ人々が「学び」についての対話を重ねる本展を通じて、協働や教育の新しい可能性にふれ、他者に対する友好的な振る舞いについて再考するきっかけとしたい。