EXHIBITIONS

創業200周年記念 フィンレイソン展

―フィンランドの暮らしに愛され続けたテキスタイル―

2021.10.09 - 2022.01.10

ライナ・コスケラ作「エレファンティ(象)」 寝具用生地 1969 タンペレ歴史博物館蔵 Finlayson®©Finlayson Oy

ミリヤ・ティッサリ作「アンヌッカ(女性の名前)」原画 1976 フォルッサ博物館蔵 Finlayson®©Finlayson Oy

アイニ・ヴァ―リ作「センニ(女性の名前)」原画 1972 フォルッサ博物館蔵 Finlayson®©Finlayson Oy

アヌ・サーリ作「アヤトス(思考)」生地 2006 タンペレ歴史博物館蔵 Finlayson®©Finlayson Oy

プーヴィッララプソディア 1958 タンペレ歴史博物館蔵 Finlayson®©Finlayson Oy

 京都文化博物館で「創業200周年記念 フィンレイソン展 ―フィンランドの暮らしに愛され続けたテキスタイル―」が開催。本展は、北欧フィンランドのテキスタイルの会社「フィンレイソン」が2020年に創業200年を迎えたことを記念し、その歴史を振り返る。

 フィンレイソン社は1820年、スコットランド出身のジェームズ・フィンレイソンが、フィンランド第二の都市タンペレで紡績工場を設立したのが始まり。この社名をブランドとして寝装具や室内を彩る多彩なテキスタイルを製作し、質の高い製品と洒落たデザインは、日本でも広く知られている

 設立者のジェームズ・フィンレイソンは、最初に綿・ウール糸の紡績と織物製造の大工場をつくり、工場エリア内には学校、病院、図書館、教会をつくるなど巨大なコミュニティを形成した。1860年代には、フィンランド初の女性雇用の場をつくり社会的にも大きく貢献。その後1950年代から工場内にスタジオを設け、自社のデザイナーによるオリジナルのテキスタイルを生み出している。

 本展は、タンペレ歴史博物館に保管されているフィンレイソン社設立当時の貴重な資料を初公開するほか、同じく工場のあった街、フォルッサ博物館に保管される色鮮やかなデザイン原画やテキスタイルなどをまとめて紹介する、日本で初めての展覧会。フィンレイソン創業200年の歴史とデザインを、3つのテーマ「歴史」「デザイナーたちの図案」「未来につなぐ」でひも解く。

 展示室では時代ごとに変遷するデザインを展望するともに、現在まで人気の各デザイナーのデザイン原画とテキスタイルをあわせて展示。フィンランドの家庭で愛用され信頼されてきたフィンレイソンの多彩な魅力を伝える本展は、小国ながら社会福祉制度などでは先進的で豊かなフィンランドの生活スタイルを学ぶ機会ともなるだろう。