EXHIBITIONS

REVISIT(リビジット)―コレクション+アーカイブに見る美術館のキセキ

2021.10.01 - 10.24

モーリス・ルイス Gamma Beta 1960 いわき市立美術館蔵

 いわき市立美術館は、展覧会「REVISIT(リビジット)―コレクション+アーカイブに見る美術館のキセキ」を開催する。本展は、開館38年目となるいわき市立美術館がいかに設立され、どのように歩みを進めてきたのかを、収集作品(=コレクション)と資料群(=アーカイブ)から紹介するもの。

 いわき市立美術館は、1984年の開館から「戦後の現代美術」と「いわきゆかりの美術」を収集方針に掲げてきた。公立美術館による現代美術の収集がそれほど一般的でなかった開館当時、「現代美術は分かりにくい」という声も寄せられ、学芸員たちは苦心して普及にあたった。

 その後も一貫して方針を守りつつ地道な収集が行われた結果、現在では同館の収蔵作品は2300点を超え、私たちが生きる時代と結びついた、現代美術の様々な動向をそこに見出すことができる。

 本展の作品展示では、コレクションから90点余りを選び、「写真、記録、記憶」「絵画、あそび、日常」「もの、時間、自然」「美術館を抜け出して」といった身近な視点でその面白さにふれる。

 いっぽうアーカイブ展示では、また同館の設立に密接に関わった「いわき市民ギャラリー」というユニークな市民団体に注目。美術館の開館の経緯や、その後、時代や地域の特色を反映して展開された美術館の活動の様子を、写真やチラシ、ポスターなどの資料でたどる。開館当時の記録をひも解くと、市町村合併により誕生した「わかいまちいわき」の文化を盛り上げようと奔走した市民たちの姿がよみがえる。

 本展はいわき市立美術館を「REVISIT(再訪、再考)」し、これまでの歩みと、これからの未来像を考える場となる。