EXHIBITIONS

ジャム・セッション 石橋財団コレクション×森村泰昌

M式「海の幸」ー森村泰昌 ワタシガタリの神話

森村泰昌 ワタシガタリの神話 2021(映像作品)より 作家蔵

森村泰昌 M式「海の幸」習作(色合わせ01:假象の創造) 2020 作家蔵

青木繁 海の幸 1904(重要文化財) 石橋財団アーティゾン美術館蔵

森村泰昌 M式「海の幸」第2番:それから 2021 作家蔵

森村泰昌 M式「海の幸」第9番:たそがれに還る 2021 作家蔵

 アーティゾン美術館は、「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×森村泰昌 M式『海の幸』ー森村泰昌 ワタシガタリの神話」を開催。石橋財団コレクションと現代美術家が共演する「ジャム・セッション」の第2回では、「自画像的作品」をテーマに制作を行う森村泰昌を迎える。

 森村は1951年大阪市生まれ。85年にゴッホに扮したセルフポートレイト写真でデビューして以降、国内外で作品を発表している。14年には、ヨコハマトリエンナーレのアーティスティックディレクターを担当。18年、大阪北加賀屋に「モリムラ@ミュージアム」を開館。著書に『自画像のゆくえ』(光文社新書)ほか多数。

 これまで、古今東西の絵画や写真に表された人物に変装し、独自の解釈を加え再現してきた森村は、石橋財団が所蔵する青木繁《自画像》(1903)、《海の幸》(1904年)にインスピレーションを得た作品を制作するなど、かねてから同財団の青木作品へ密かな想いを寄せていたと言う。

 本展は、森村が改めて青木の《海の幸》と本格的に向き合うもの。同名作品が制作された明治期以降の日本の文化、政治、思想などの変遷史を「森村式」、略して「M式『海の幸』」として形象化し、青木への熱い想いを新たなる作品シリーズへと昇華させる。

 展示は同財団コレクションより青木作品約10点と、森村作品約60点で構成。うち50点以上は、本展のために制作された森村の新作となり、森村と青木のかつてないセッションを見ることができる。