EXHIBITIONS

南川史門「Moves」

2021.09.12 - 10.10

Courtesy of the artist and MISAKO & ROSEN

 MISAKO & ROSENでは、南川史門の個展「Moves」を開催する。会期は10月10日まで。

 南川は1972年東京都生まれ。多摩美術大学デザイン学科で学んだのち、2013~14年まで文化庁新進芸術家海外研修制度にてニューヨークに滞在し、現在は東京を拠点に活動。東京都現代美術館のリニューアルコレクション展(2019)や、ミュンヘンのブランドホルスト・ミュージアムでの「Painting 2.0」展(巡回:ルートヴィヒ財団近代美術館、ウィーン、2015)をはじめ、国内外の展覧会で紹介されている。

 本展で南川が発表する新作群は、絵筆ではなくスプレーによるアクリル絵具の操作に焦点を当てて制作された。その点で、絵画の潜在的な機能(活発な真空を生み出すこと、戯れのため/としての空間をかたちづくること)の強調に特徴づけられる南川の以前の実践とは異なる方向性が打ち出されている。

 いずれの作品も、南川による近年の移行(move、東京という雑然とした都市から京都という洗練された街へ、そして筆による描画を捨ててスプレーの簡潔性へ)を反映するように、形態と素材の積極的な打ち消しの連続を密かに交換し、批評的でありつつ遊び心に満ちた手付きで、鑑賞者の想定を転覆させる。