EXHIBITIONS

スクリプカリウ落合安奈 個展「わたしの旅のはじまりは、 あなたの旅のはじまり」

2021.09.15 - 10.03

スクリプカリウ落合安奈 わたしの旅のはじまりは、あなたの旅のはじまり 2021 © スクリプカリウ落合安奈

スクリプカリウ落合安奈「わたしの旅のはじまりは、あなたの旅のはじまり」展示風景 © スクリプカリウ落合安奈

スクリプカリウ落合安奈「わたしの旅のはじまりは、あなたの旅のはじまり」展示風景 © スクリプカリウ落合安奈

スクリプカリウ落合安奈 Light falls home(s) - 家のひかり(一部) 2021 © スクリプカリウ落合安奈

落合由利子 天使が壁の前を歩く 1990 © Yuriko Ochiai

 ANB Tokyoは埼玉県立近代美術館での展覧会が記憶に新しい、スクリプカリウ落合安奈の個展「わたしの旅のはじまりは、 あなたの旅のはじまり」を開催する。

 スクリプカリウ落合は2016年東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業(首席・美術学部総代)。現在、同大学院博士後期課程在籍。日本とルーマニアの2つの母国に根を下ろす方法の模索をきっかけに、「土地と人の結びつき」という一貫したテーマのもと絵画、写真、映像、インスタレーションなど様々な素材・手法を扱う。20年、Forbes 30 UNDER 30を受賞。

 スクリプカリウ落合は、国内外各地で土着の祭事や民間信仰などの文化人類学的なフィールドワークを重ね、その過程で気づいた「見えないつながり」を作品で視覚化してきた。《Blessing beyond the borders -越境する祝福- 》(2019)では、自身のルーツである日本とルーマニア各地の信仰や神事を、《骨を、うめる -one’s final home》(2019)では、江戸時代にベトナムで没したある日本人の墓を起点に、帰属意識や鎖国、国際結婚などをインスタレーション作品のなかで問いかけた。それぞれ作家独自の着眼点から、複数の時代や地域のあいだにつながりとその必然性が生まれ、個人の歴史が他者を理解するストーリーへと交わっていくのが大きな特徴だ。

 本展では、母であり、生きることの光をとらえ続ける写真家・落合由利子と自身の写真作品を展示。異なる時期のルーマニアをとらえた両者の眼差し、作品の対話から浮かび上がるものを探究する。本展協賛は公益財団法人 クマ財団。