EXHIBITIONS

町田市立博物館所蔵

岩田色ガラスの世界展ー岩田藤七・久利・糸子ー

岩田藤七 貝 1962 町田市立博物館蔵

岩田藤七 貝「波の響」 1976 町田市立博物館蔵

岩田藤七 水指「墨染」 1974 町田市立博物館蔵

岩田久利 コンポート 1983 町田市立博物館蔵

岩田久利 花器 1982 町田市立博物館蔵

岩田藤七 ガラス作品のスケッチ 1974頃 個人蔵(画像は前期展示) ※前期(10月1日~10月23日)、後期(10月24日~11月14日)で展示替え

 神奈川県立近代美術館 鎌倉別館は、町田市立博物館所蔵による展覧会「岩田色ガラスの世界展ー岩田藤七・久利・糸子ー」を開催する。

 近代ガラス工芸の礎を築いた岩田藤七(いわた・とうしち、1893〜1980)。宙吹き技法によるやわらかな造形に、鮮やかな色彩をまとわせた作品で知られている。

 昭和のはじめ、ガラスの生産と言えば実用品や切子などが一般的だったなか、藤七は日本の伝統的美意識を引き継いだ大胆な造形を追求し、ガラス工芸を芸術の域に高めた。その長男・久利(ひさとし、1925〜1994)は化学的知識を駆使した緻密で流麗なガラスの世界をつくり上げ、久利の妻・糸子(いとこ、1922〜2008)は岩田工芸硝子株式会社を受け継ぎながら清新なガラスの大皿などを制作した。

 本展では、日本のガラス工芸を拓いた岩田家の作品を町田市立博物館のコレクション約60点から紹介し、制作時のスケッチブックとともに展覧する。

 また藤七は鎌倉を拠点とした文学者や美術家と親しくしたことから、本展では神奈川県立近代美術館が所蔵する藤七の貴重な初期作品や、鎌倉に過ごした有島生馬(1882〜1974)、山口蓬春(1893〜1971)、小倉遊亀(1895〜2000)の作品を展示し、作家たちの交流を振り返る。