EXHIBITIONS

花代 個展「花代の世界 地下活動半世紀」

花代 Untitled © Hanayo Courtesy of Taka Ishii Gallery Photography / Film

 写真、音楽、パフォーマンス、立体、映像など、変幻自在に表現するアーティスト・花代。その個展「花代の世界 地下活動半世紀」がMITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERYで開催される。

 花代は1970年東京都生まれ。中学生の頃父親からカメラを譲り受け写真を撮り始め、19歳で向島で半玉修行を経て芸妓となり、同時にライフワークとして写真も撮りつつ、モデルやミュージシャンとしても活動。95年に花柳界を引退しロンドンへ移住した後、様々なアーティストとの出会いを通じて映像作品、パフォーマンスなど精力的に作家活動を行う。96年に愛娘・点子を出産、同年に奇才映画監督クリストフシュリンゲンズィーフの作品に出演。99年よりベルリンで15年間の海外生活を過ごし、2010年に帰国する。現在は東京とベルリンを拠点に、写真家、芸妓、ミュージシャン、モデルとして多方面で活動を展開している。

 花代にとって作家活動30周年となる2021年は、書籍『花代の世界 地下活動半世紀』も刊行され、都内各所のギャラリーで「花代まつり」と題された個展も順次開催中。本展は「花代まつり」の一場面として、花代の多義的表現の一端を担い、その世界を垣間見ようとする試みとなる。

 愛娘や風景を被写体とした、取り繕いなく写された日常写真の欠片、立体、映像、詩篇など、心の赴くまま作品を生み出し瑞々しく紡いできた花代。本展は集大成的展覧会として、導かれるように変貌してきた作家の30年の足跡を振り返る。