EXHIBITIONS
岩名泰岳・西村涼「Pulse」
ギャラリーあしやシューレでは、岩名泰岳と西村涼による2人展「Pulse」を開催する。
岩名は1987年三重県生まれ。2010年に成安造形大学造形学部造形美術科を卒業後、12年までドイツ国立デュッセルドルフ芸術アカデミーで研究生として学び、帰国後、村民芸術を提唱する「蜜の木」の活動を開始する。
ギャラリーあしやシューレでの初個展(2013)では、闇にうごめく獣や、森にねむる花をモチーフに、温かくも謎めいた神秘的な翳りのストーリーを展開。2度目の個展(2017)では、岩名の活動拠点である三重県伊賀市の島ケ原で、1927年当時の若者が中心となって発行していた文集『七ツノ華』の文面からインスピレーションを受け、村の原風景や祈りの姿を色彩豊かに描き出した。これからも変わり続けるであろう岩名作品だが、その源流となるものは、制作拠点とする島ケ原の村に潜在するナラティブと、地中深くにうごめく生命体を通して、幻想のなかに浮かび上がる記憶と思索を抽象化していく行為にある。
西村は1993年京都府生まれ。京都精華大学卒業後、京都市立芸術大学で修士課程修了。在学中より国内外で幅広く活動し、2020年からは京都府亀岡市を拠点に制作を行う。
版表現が多様化しているいま、西村は銅板に金属棒で直接彫り出すというシンプルな方法にこだわり、ドライポイントやフロッタージュなどの技法で作品を制作している。かたちをもたない自然の移ろいを、光や水が流れるような線の軌跡に置き換え、生命の永続性や流動性といったイメージを、細かい無数の線で表す。それは、植物の細胞分裂などの有機的構造や、水のなかに無数に広がるインクの流れ、空気に溶け込む煙の軌跡など、つねにかたちが変わり続けるものの一瞬をとらえる試みである。
地元の記憶や伝承を再構築し、存在することの具現化を試みる岩名。生命体に内在する物語の共通項や関係性をストレートな手段で版表現に移し替える西村。本展では、感染症の蔓延という困難な社会状況下で、不可視なものへ想像をめぐらせ、社会関係のあり方をとらえ直す試みとして、2人の作家が向き合う。
岩名は1987年三重県生まれ。2010年に成安造形大学造形学部造形美術科を卒業後、12年までドイツ国立デュッセルドルフ芸術アカデミーで研究生として学び、帰国後、村民芸術を提唱する「蜜の木」の活動を開始する。
ギャラリーあしやシューレでの初個展(2013)では、闇にうごめく獣や、森にねむる花をモチーフに、温かくも謎めいた神秘的な翳りのストーリーを展開。2度目の個展(2017)では、岩名の活動拠点である三重県伊賀市の島ケ原で、1927年当時の若者が中心となって発行していた文集『七ツノ華』の文面からインスピレーションを受け、村の原風景や祈りの姿を色彩豊かに描き出した。これからも変わり続けるであろう岩名作品だが、その源流となるものは、制作拠点とする島ケ原の村に潜在するナラティブと、地中深くにうごめく生命体を通して、幻想のなかに浮かび上がる記憶と思索を抽象化していく行為にある。
西村は1993年京都府生まれ。京都精華大学卒業後、京都市立芸術大学で修士課程修了。在学中より国内外で幅広く活動し、2020年からは京都府亀岡市を拠点に制作を行う。
版表現が多様化しているいま、西村は銅板に金属棒で直接彫り出すというシンプルな方法にこだわり、ドライポイントやフロッタージュなどの技法で作品を制作している。かたちをもたない自然の移ろいを、光や水が流れるような線の軌跡に置き換え、生命の永続性や流動性といったイメージを、細かい無数の線で表す。それは、植物の細胞分裂などの有機的構造や、水のなかに無数に広がるインクの流れ、空気に溶け込む煙の軌跡など、つねにかたちが変わり続けるものの一瞬をとらえる試みである。
地元の記憶や伝承を再構築し、存在することの具現化を試みる岩名。生命体に内在する物語の共通項や関係性をストレートな手段で版表現に移し替える西村。本展では、感染症の蔓延という困難な社会状況下で、不可視なものへ想像をめぐらせ、社会関係のあり方をとらえ直す試みとして、2人の作家が向き合う。