EXHIBITIONS

久保田沙耶「肌をよむ」

2021.08.26 - 09.19

© Saya Kubota

 アーティスト・久保田沙耶の個展「肌をよむ」がSYP GALLERYで開催されている。9月19日まで。

 久保は1987年茨城県生まれ。筑波大学芸術専門学群卒業、東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程美術専攻油画研究領域修了。主な個展に「Material Witness」(大和日英基金、ロンドン、2016)、参加したプロジェクトに「漂流郵便局」(瀬戸内国際芸術祭2013)などがある。

 本展では、久保田が今年7月に那須塩原の大黒屋にて滞在制作で手がけた作品を含め、極彩色の色鉛筆を用いたドローイングの新作などを発表。作家は次の言葉を寄せている。

「わたしはしるしをつけるように作品を作りはじめることにした。日常生活のなかの手触りひとつひとつと、それに反応する五感、そんな言葉や考えにとどく前の感覚を『わたしの歴史』として見つめてみたい。わたしたち人間は視覚優位の猿から受け継いだ能力もあって、さまざまな考えを目に見える形で実体化してきた。けれども、鳥と私の関係をきっかけに自然界のありとあらゆる動植物に意識を傾けてみたとき、これまで彼らもずっと生存と共存を続けており、目に見えない倫理や宗教の萌芽があるにちがいないと気がつく。そして遠いむかしの恐竜もまた同じ心映えだったのではないかと思いを馳せる(久保田沙耶)」。