EXHIBITIONS

リュウ・イカ「A part of u/me」

art space “traffic”
2021.08.21 - 10.18

リュウ・イカ A part of u/me © Ryu Ika

リュウ・イカ holiday leftover © Ryu Ika

リュウ・イカ gathering for the burn out © Ryu Ika

 写真家、リュウ・イカの個展「A part of u/me」がart space “traffic”で開催される。本展企画は亜洲中西屋(ASHU)。

 リュウ・イカ(劉怡嘉)は中国・内モンゴル自治区出身。2020年に武蔵野美術大学を卒業。同大在学中の18~19年にかけて、パリ国立高等美術学校に協定留学。現在は、芸術活動ビザで日本に滞在している。19年、第21回写真「1_WALL」展グランプリ、 T3 PHOTO FESTIVAL TOKYOベストポートフォリオ賞受賞。主な個展に「Puzzle Mapping」(AMAC Projects、パリ、2019)、「いのちを授けるならば」(ふげん社、東京、2019)、「The second seeing」(ガーディアン・ガーデン、東京、2020)などがある。

 生まれ育った故郷・内モンゴルで日本のテレビ番組に慣れ親しみ、テレビ局勤務を望んで来日したリュウ。武蔵野美術大学映像学科に学ぶうち、グループワーク主体の授業では語学力不足から会話のコミュニケー ションが難しく、いつしかひとりで暗室に身を隠せる写真を表現手段に選んだ。その頃に作品を通じて出会ったのが、内藤正敏、志賀理恵子、森山大道らの写真家。その作品に話しかけられたように感じ、これこそコミュニケーションだと思ったと語る。そしてコミュニケーションの困難さが原因で選んだ代償行為の写真が、コミュニケーションの手段になると気づいたと言う。
 
 本展は、他人とは異なる自分に異和を抱えながら、他人を取り込んで主体性を構築しようとするひとりの表現者が、鑑賞者に差し出す自分のパーツ(言葉)であり、鑑賞者のパーツ(言葉)を喚起しようとする試みでもある。