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繁殖する庭

2021.08.07 - 08.15

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 繁殖する庭プロジェクト主催の展覧会「繁殖する庭」が代々木のギャラリーTOHで開催されている。企画協力は吉田山(FL田SH)。

 繁殖する庭プロジェクトは、小宮りさ麻吏奈と鈴木千尋からなるアーティストユニット。既存の制度によって去勢された存在や事象をすくい取り、異性愛規範の外側を模索するため活動している。「繁殖する庭」という「場」の運営を行うほか、実際の場所にとどまらず、従来の家族制度の外野と言えるクィアネスを抱えた存在がどのような「場」を構築できるかを模索するためのプラットフォームでもある。

 本展「繁殖する庭」では日本の建築制度と婚姻制度、そして性によって規制された3つの「規制された家(庭)」を軸とし、「現実にある取り残された土地(庭)の運営」「『今日での家族像』というテーマをもとに映画制作」の2つの方法でプロジェクトを展開する。

「現実にある取り残された土地(庭)」とは、建築基準法によって再建築が不可能とされている空地であり、そこを実際に賃貸し、そこに家族に必要不可欠な建築物である「家」ではなく「庭」をつくる。「庭」という漢字の語源には「場」という意味があり、「家庭」という文字には、夫婦・親子などが生活をともにする小集団である家族が住む場という意味がある。

 これらを踏まえ、自身も異性愛規範から逸脱したクィアネスを抱えるアーティストとして、小宮りさ麻吏奈と鈴木千尋の2人は、現行の建築基準法の規制により家を建てることができない「再建築不可の土地」と、日本の結婚制度で規制されている「同性による結婚」という、2つの制度のあいだで「規制された家(庭)」を浮かび上がらせる。

 そして今回の展覧会において、別の仕方での「庭=場」をつくることを模索し試みる本プロジェクトより制作された映画『繫殖する庭』を、映像インスタレーション作品として再構成し展示している。