牟⽥陽⽇「眼の器」

　新進気鋭の現代陶芸家、牟⽥陽⽇（むた・ようか）の個展「眼の器」が銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUMで開催される。会期は8月14日～25日。

　牟⽥は東京都⽣まれ、ロンドン大学ゴールドスミスカレッジファインアート科卒業。現在は、⽯川県能美市に⼯房兼住居を構えて活動している。陶磁器に彩⾊を施す⾊絵の技法を主軸に、⽇常的な⾷器、茶器などの美術⼯芸品からアートワークまで多岐にわたって制作。現代の⾃然に対する意識の在りようをアイディアの軸として、動植物、神獣、古典図案などを再構成している。
　
　近年では、私的体験や感情の動きを⾊絵にしたシリーズや、愛玩動物をモチーフにした不穏さを含んだ調度品的作品シリーズを発表。本の美感、⼯芸、アートのあいだを相互に交信するような作家活動を⽬標としている。

　磁器では数少ない⼿びねりを用い、九⾕の伝統技法を中⼼に様々な⾊絵付けを駆使した牟⽥の作品は、鮮やかさ、華やかさが魅⼒のひとつ。伝統的な技⼀つひとつを丹念に⼯芸美として昇華しながらも、牟⽥はいっぽうでは初めての素材や技術をどん欲に取り⼊れ、興味深いアプローチを積極的に陶芸というフィールドに向けてきた。

　本展では、覚めるような鮮やかな⾊絵がちりばめられた絢爛豪華、⽣の躍動に満ちあふれた九⾕焼のシリーズ「美の器」の新作をはじめ、2021年以降に制作を始めたファブリックとセラミックを組み合わせた作品シリーズも並ぶ。