EXHIBITIONS

日本博/紡ぐプロジェクト 特別展

京(みやこ)の国宝―守り伝える日本のたから―

梵天坐像 平安時代(9世紀) 京都・東寺(教王護国寺)蔵 国宝 通期展示

御堂関白記 自筆本 寛弘元年上巻(部分) 平安時代(10~11世紀) 京都・陽明文庫蔵 国宝 通期展示(寛弘元年上巻は前期展示)

太刀 銘久国 鎌倉時代(13世紀) 文化庁蔵 国宝 通期展示

春日権現験記絵 巻二(部分) 絵:高階隆兼 詞書:鷹司基忠ほか 鎌倉時代(14世紀)
東京・宮内庁三の丸尚蔵館蔵 通期展示(巻二は前期展示)

俵屋宗達 風神雷神図屏風(右隻) 江戸時代(17世紀) 京都・建仁寺蔵 国宝 8月24日~9月5日展示

 京都国立博物館 平成知新館で特別展「京(みやこ)の国宝―守り伝える日本のたから―」が開催される(会期中、展示替えあり)。

 多くの人の手を経て過去から現代へ伝わる、いにしえの品々。日本はそうした貴重な文化財のうち、とくに歴史上、芸術上ほかに類を見ない価値を持つものを国宝や重要文化財に指定し、国民共通の財産として保全を図っている。

 国宝・重要文化財指定の基礎である文化財保護法は、太平洋戦争後まもない1950(昭和25)年に制定され、学術の発展や社会の変化とともに歩みながら指定を拡充。そのなかで古都・京都の文化財は早くから重視され、文化財保護の進展に重要な役割を果たしてきた。

 本展は、京都ゆかりの名高い国宝、皇室の至宝の数々を中心に公開し、文化財のもつ不滅の魅力とその意義を紹介するもの。日本の文化財保護の歩みや、日々の調査研究、防災、修理といった、文化財を守り伝えるうえで欠かせない取り組みにも注目する。

 展示作品は、日本美術のイメージを象徴する作品のひとつとして国際的に名高い俵屋宗達の国宝《風神雷神図屏風》や、京の公家文化の高みを鮮やかに示す鎌倉絵巻の至宝《春日権現験記絵》、戦後、最初の国宝指定を受けた名刀など。本展を通じて日本の歴史と美術工芸の粋にふれ、文化財を後世に伝える営みについて知るきっかけとしたい。