EXHIBITIONS

太田光海「Wakan / Soul Is Film」

2021.07.16 - 07.31

Wakan / Soul Is Film 展⽰写真サンプル

Wakan / Soul Is Film 展⽰写真サンプル

Wakan / Soul Is Film 展⽰写真サンプル

Wakan / Soul Is Film 展⽰写真サンプル

 映画監督・⽂化⼈類学者、太田光海の初個展「Wakan / Soul Is Film」が根津のThe 5th Floorで開催されている。

 太田は1989年東京都⽣まれ。神⼾⼤学国際⽂化学部、フランス・パリ社会科学⾼等研究院(EHESS)⼈類学修⼠課程を経て、イギリス・マンチェスター⼤学グラナダ映像⼈類学センターで博⼠号を取得。パリではモロッコやパリ郊外で⼈類学的調査を⾏いながら、共同通信パリ⽀局でカメラマン兼記者として活動するとともに、多くの映像にふれた。

 マンチェスター⼤学では⽂化⼈類学とドキュメンタリー映画をかけ合わせた先端⼿法を学び、その後、アマゾン熱帯⾬林に1年間滞在。7年におよぶ構想、そして現地での調査と経験をもとに、2020年に初監督作品『カナルタ 螺旋状の夢(原題:Kanarta: Alive in Dreams)』を発表した。

『カナルタ 螺旋状の夢』は、エクアドル共和国のアマゾン熱帯⾬林で⾃給⾃⾜⽣活を営む先住⺠・シュアール族の世界をとらえたドキュメンタリー映画。太田はある夫妻を家族の⼀員のような視点で追い、一家が森や薬草と結ぶ深い関係や、現代医療の導⼊など社会の変化が起こす様々な⽭盾にも迫った。また本作には、最新の⼩型⾼画質カメラの使⽤による独特の映像美や、「ドキュメンタリー」というジャンルの枠を越える編集術、ヨーロッパや南⽶のクリエイティブ・スタッフを起⽤したリモートワークによるポストプロダクションなど、様々な⾯で次世代的要素が詰まっている。

『カナルタ 螺旋状の夢』の番外編とも言える本展は、映画撮影と同時並⾏で太⽥が撮りためた写真と、本編で未使⽤の映像素材を新たに解釈して制作したビデオインスタレーションで構成。『カナルタ 螺旋状の夢』を別視点から眺め、映画に収まり切らないアマゾン熱帯⾬林の様々な顔を⽴ち上がらせる。

 なお『カナルタ 螺旋状の夢』は2021年10⽉2⽇より、イメージフォーラムほか全国で劇場公開される予定だ。