EXHIBITIONS

ルット=ブレス・リュクサンブーグ、平澤賢治「光と熱」

2021.07.17 - 10.30

© A girl from elsewhere “Liebeslied” by Rut Blees LUXEMBURG

Study of Energy after Longo #XXX Yuki Kobayashi, London, 2016 © Kenji HIRASAWA

 MYD Galleryでは、ルット=ブレス・リュクサンブーグと平澤賢治の師弟による展覧会「光と熱」を開催。世界を理解する姿勢に刷新が求められるいま、写真表現の拡張に挑む2人の作品を通して、世界の姿を新たな領域から見つめ直す。

 リュクサンブーグはドイツの大学で政治学を学んだ後、1993年にロンドン・カレッジ・オブ・プリンティングで写真学士号を、96年にウェストミンスター大学で写真修士号を取得。サイズから素材選択までスケール感のある大規模な写真表現で、都市景観を文化と光の現象で表現する作家として高い評価を得ている。

 近年のプロジェクト「シルバーフォレスト」(2016)ではウェストミンスター市庁舎の西側ファサードに作品を設置。「ロンドン・ダスト」(2011〜13)では、CGI写真表現の開発にも参加し、ロンドンの急速な建築的変化をアーカイヴする一連の写真とムービー制作に取り組んだ。

 平澤は1982年東京都生まれ。2006年に慶應義塾大学環境情報学部を卒業後、スタジオ勤務を経て独立、渡英。11年に写真集『CELEBRITY』(Bemojake)を発表し、ロンドンのギャラリーKK Outletにて同タイトルの個展を開催。写真雑誌『Photoworks』『GUP』の表紙を飾るなど、注目を集める。

 16年には新作「HORSE」シリーズが、ISSEY MIYAKE MEN 2016年秋冬コレクションに起用。同年、ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アート写真専攻修士課程を修了した。現在は東京を拠点に活動している。

 本展がフォーカスするのは、夜の光と生物が発する熱。被写体のエネルギーの「存在」を科学の力で視覚化した写真表現、リュクサンブーグと平澤の作品を、世界の姿をとらえる手がかりとする。