EXHIBITIONS

Shohei Takasaki / Where Is Everybody

Shohei Takasaki『Where Is Everybody』

Shohei Takasaki Plants Vase and Curtain(Still-Life) 2020

Shohei Takasaki Untitled 2018

 アーティスト・Shohei Takasakiによるアート・ブック『Where Is Everybody』の刊行にあわせたフェアが銀座 蔦屋書店で開催中。アート・ブックをはじめ、今回初披露となる作品の展示・販売も行う。

 Shohei Takasakiは1979年埼玉県生まれ。2019年よりアメリカ・ポートランドから東京に拠点を移し、ぺインティングを中心に彫刻やインスタレーションを制作。ポートランド、ロサンジェルス、クウェート、メルポルン、香港、東京など様々な都市で作品を発表してきた。

 Takasakiの表現には「比較」という一貫したテーマが根底にある。ひとつの作品のなかで同じモチーフを使いながらも、「具象」や「抽象」などのまったく異なるぺインティングのアプローチによって、2つ以上のモチーフ間にある「インビトゥイーンネス(中間)」を通じ、「パラドックス(矛盾)」を浮かび上がらせる。

 Takasakiは過去、「他人との距離」や「ドメスティック(家庭内、国内)」というテーマで展示を行ったが、これは2020年初頭から世界的に続いている新型コロナウイルスとの生活のなかで、図らずも再び考えさせられるトピックとなった。アート・ブック『Where Is Everybody』では、このトピックを新たな軸からいま一度探る試みが行われたが、その軸とは、「家←→スタジオ」という2つだけの「場所」を往復するなかでキーポイントとなった「ポータビリティ(携帯性)」であり、これを軸に記録してきた小さなサイズのドローイングやスケッチを相当分に収録することで実現された。

 2018〜21年に制作された未発表作品を含む約150ページに及ぶ内容のこのブックは、作家のキャリアのなかでもとくに重要な4年間の記録をコンパイルしたもの。様々な国でペインティングをメインに発表してきた作家にとって、アメリカを拠点にしていた最後の2年(2018〜19)とその後の日本での約2年(2020〜21)は、ペインティングにとどまらず毎日のスタジオ・プラクティスとしてのおびただしい数のドローイングやスカルプチュアの制作へと拡張された期間でもある。

 本フェアでは、ブックとペインティングおよびドローイング作品を展開することで、作家の活動の拡張と作家からの問いかけを提示する。作品は店頭、またはアートのオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術⼿帖」にて販売中。