EXHIBITIONS

香月恵介個展「Noumena」

2021.07.09 - 08.01

香月恵介 Noumena 1 2021

香月恵介 Noumena 2 2021

香月恵介 Noumena 3 2021

 ディスプレイの発光を絵具で再構成するアーティスト・香月恵介の個展「Noumena」がEUKARYOTEで開催される。

 香月は1991年福岡県生まれ。2016年東京造形大学大学院造形研究科美術専攻領域修了。現代における私たちのイメージの源とも言えるディスプレイ、その図像の発光をRGBに分解し、調合された絵具によって物理的に置き換える代表作「ピクセルペインティング」を活動初期より発表してきた。
 
 2019年の個展では「ピクセルペインティング」を発展させ、RGB3種の発光するイメージをひとつの画面上に描いたタブローに対し、RGB3色のライティングを重ねるインスタレーションを用いた作品「Lux」によって、光の認識不可能性を示した。

 本展では「Lux」の新作とともに、これまでピクセルペインティングの対となるコンセプトとして制作されてきた「Gray」の新作「Gray:Noumena」を発表する。

「考えられたもの」、あるいは「仮想物」という意味を持つ「Noumena」の名が与えられた本シリーズは、CMY(シアン、マゼンタ、イエロー)の絵の具を画面上で混色することによって現れる灰色の絵画面に、ディスプレイ表示においては理論値であり、本来は吸収されているはずのRGB輝度値がランダムに表記されている。

 メディウム(=色材的灰色)と、ランダム生成された仮想物としての光学的灰色の数値が混成された「Noumena」。私たちは灰色のイデアについて考えた時こそ、視覚の内外に広がる身体的実体験の豊かな可能性を再認識することになるだろう。

 なお香月は、今年の群馬青年ビエンナーレ(群馬県立近代美術館、7月17日〜8月22日)への出展も予定している。