EXHIBITIONS

狩野岳朗「植物コロニー体系から導く境界の諸原理」

2021.07.01 - 08.01

狩野岳朗「植物コロニー体系から導く境界の諸原理」より

 画家・狩野岳朗の個展「植物コロニー体系から導く境界の諸原理」がNADiff Window Galleryで開催されている。

 狩野は1975年群馬県生まれ。東京都在住。植物のフィールドスケッチをライフワークとし、抽象絵画を制作。落ち着いた淡色、線やかたちで構成される狩野の抽象画の原点は、木を描くことから始まる。

 狩野は、公園やベランダから木や植物の構造を観察し、「野外研究スケッチ」を重ねていくなかで、自身(人)と木々が持つ存在のとらえ方について考えるようになったと言う。「私と木」「こちらとあちら」の境界を探るように、画面上に配置された色やかたちは、時にうねったり曲がったり、大きく線を走らせまた新たなかたちが生まれたりと、思考をめぐらす作家自身の頭のなかを表しているようにも思える。

 本展は、狩野のこれまでの展示を振り返り、そのつながりを探る場となる。今回の展示に合わせて展覧会冊子も制作。その他、一つひとつを手製でつくったこれまでの展示冊子や、装画を担当した書籍、またアートワークを手がけたswimmieのハンカチも店頭に並ぶ。