EXHIBITIONS
髙木優希個展「ゆうれいのいないところで」
ARTDYNEは3331 Arts Chiyodaの211号室から、同じフロアの207号室に移転。こけら落としは、気鋭の作家・髙木優希の個展「ゆうれいのいないところで」を開催する。
髙木は1994年福島県生まれ。2021年東京藝術大学絵画科油画専攻卒業。現在、東京藝術大学大学院美術研究科修士課程に在籍中。20年に初個展「あの日のすみか」(MEDEL GALLERY SHU、東京)を開催。一貫して絵画の平面性・時間性に注目し、その可能性を模索している。
リアルなのにどこか奇妙で不自然な部屋。枕のふくらみやシーツのしわ、重ねられた本たち、コンロに置かれた鍋やフライパン。髙木はこれらを、スチレンボードや紙粘土で自作したミニチュアの部屋や家具をモチーフとして描く。紙粘土の手作業の跡まで丹念に描写され、独特の湿度を持ったその画面は、そこに誰かが直前までいたような奇妙な感覚を見る者にもたらす。
髙木はホラー映画や怪談に対する興味から、怖い物語を鑑賞した後に、それらを創作物だと理解しているにもかかわらず、実在しないものに対して気味の悪さや恐怖をその後もずっと感じ続けるという人間の記憶に着目し、「いたはずのもの」をキャンバスに暗示させることによって、日常の背景に横たわる不穏さや不安定な感情の呼び起こしを試みている。さらに「自作の物を描く」という作業は、模造品を描写(模造)するという重層的な意味を作品にもたらし(それは自動的にトーマス・デマンドの仕事を想起させ)、絵画を制作することの根源的な問いを私たちに投げかける。
本展では髙木の新作を中心に、約10点を展示・販売する。
ARTDYNEの新たなスペースは、今年4月までGallery OUT of PLACE TOKIOが使用していた一室。展示面積は旧スペースの約2.5倍、壁面は約2倍となり、これからより自由で多彩な展示を予定している。
髙木は1994年福島県生まれ。2021年東京藝術大学絵画科油画専攻卒業。現在、東京藝術大学大学院美術研究科修士課程に在籍中。20年に初個展「あの日のすみか」(MEDEL GALLERY SHU、東京)を開催。一貫して絵画の平面性・時間性に注目し、その可能性を模索している。
リアルなのにどこか奇妙で不自然な部屋。枕のふくらみやシーツのしわ、重ねられた本たち、コンロに置かれた鍋やフライパン。髙木はこれらを、スチレンボードや紙粘土で自作したミニチュアの部屋や家具をモチーフとして描く。紙粘土の手作業の跡まで丹念に描写され、独特の湿度を持ったその画面は、そこに誰かが直前までいたような奇妙な感覚を見る者にもたらす。
髙木はホラー映画や怪談に対する興味から、怖い物語を鑑賞した後に、それらを創作物だと理解しているにもかかわらず、実在しないものに対して気味の悪さや恐怖をその後もずっと感じ続けるという人間の記憶に着目し、「いたはずのもの」をキャンバスに暗示させることによって、日常の背景に横たわる不穏さや不安定な感情の呼び起こしを試みている。さらに「自作の物を描く」という作業は、模造品を描写(模造)するという重層的な意味を作品にもたらし(それは自動的にトーマス・デマンドの仕事を想起させ)、絵画を制作することの根源的な問いを私たちに投げかける。
本展では髙木の新作を中心に、約10点を展示・販売する。
ARTDYNEの新たなスペースは、今年4月までGallery OUT of PLACE TOKIOが使用していた一室。展示面積は旧スペースの約2.5倍、壁面は約2倍となり、これからより自由で多彩な展示を予定している。

