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EXHIBITIONS

小村雪岱スタイル 江戸の粋から東京モダンへ

2021.07.08 - 08.29

小村雪岱 青柳 1941頃 個人蔵

 大正〜昭和初期にかけて、装幀、挿絵、舞台美術など多岐にわたるジャンルに新風を吹き込み、大衆を魅了した小村雪岱(1887~1940)。その展覧会「小村雪岱スタイル 江戸の粋から東京モダンへ」が山口県立美術館に巡回する。

 東京美術学校で下村観山(しもむら・かんざん)に学んだ雪岱は、卒業後、古美術雑誌を刊行している國華社(こっかしゃ)で古画の模写に従事するなど、若き日には日本画家としての基礎力を磨いた。1914(大正3)年、27歳の時に敬愛する泉鏡花の単行本『日本橋』の装幀を手掛けて高い評価を得たのをきっかけに、数多くの美麗な書籍を世に送り出し、人気装幀家として名の知れた存在となった。

 1918(大正7)年から約5年間は、発足まもない資生堂意匠部で最先端のデザインに携わり、その後、小説挿絵や舞台美術にも活動範囲を広げ、1940(昭和15)年に53歳で急逝するまで、商業美術の世界を中心に多くの足跡を残した。

 西日本での雪岱の展覧会は今回が初めて。江戸の粋を受け止め、東京のモダンを体現した「意匠の天才」と称される雪岱の魅力を、挿絵や装幀、舞台装置画、肉筆画と版画作品など約120点を通して紹介する。

 また、シンプルかつ大胆な構図、豊かな情趣を宿した人物や風景、そして繊細な描線と、「雪岱スタイル」のルーツである鈴木春信の浮世絵や、互いに一目置いていた鏑木清方の挿絵作品も展示。加えて、高度なデザインセンスと繊細な技術を併せ持つ、並河靖之や柴田是真らをはじめとする明治・大正期の工芸、さらに雪岱スタイルに私淑する現代美術作家らの作品を交えながら、その美の系譜を複層的に紹介する。