広重ビビッド

　日本財界の重鎮として活躍した日本化薬株式会社元会長・原安三郎（1884-1982）の浮世絵コレクションより、国内外で逸品とされる歌川広重（1797-1858）晩年の傑作シリーズ「六十余州名所図会」と「名所江戸百景」を全点初公開する。

　原が集めた秘蔵のコレクションは、貴重な初摺のなかでもとくに時期が早く、保存状態も極めて優れており、退色のない濃密でビビッドな色彩を残している。

　本展では歌川広重のほか、葛飾北斎（1760-1849）、歌川国芳（1797-1861）らの希少な作品など約250点を前後期に分け、総入れ替えで展示。開催にあたって描かれた場所の現地取材を行い、作品と現在の写真を比較できるよう会場を構成し、全国各地の名所を幕末三大絵師の浮世絵でたどる。